三原橋地下街にて

 少しばかり間が空きましたが、依然銀座の夜を歩いています。中央通りを越え晴海通りを東に向かい辿り着きまするは、三原橋という場所。以前から気になっていた場所であります。

 晴海通りをくぐるような形の、極小さい地下街であります。ここには映画館があるようです。

 シネパトスと言う名の映画館が二つ。何かよく判りませんが、関係者のような人達が三々五々集まっています。

 ほろ酔いの我々は、どのお店に入ろうかとしばし思案致します。以前読んだ記事では、もう少しお店が入っているようだったのですが、ところどころシャッターが閉まっていて実質開いているのは3軒ほど。迷いに迷ってその名も三原さんに決めました。チョイとごめん〜♪

 中は意外と広く、カウンターに二人連れ、小上がりにもひとグループがいました。短いカウンターの空いているところに並んで席を構えます。女将さんが一人で切り盛りしているようです。まずは瓶ビールを頼みます。

 メニューはこのように手書きの、季節で変わるような感じです。魚が主体の、ワタクシ好みのメニューばかり。どこから手をつけて良いのやら(;´∀`)。

 みやけんさんと意見の一致したツマミから。やや季節が遅いながらも若竹煮、¥500。出汁がバッチリ効いていて美味しいです。ここで女将さん、やるなぁと見直します。

 奥のグリルで焼いていたキンキ¥450。こまめにひっくり返しながらじっくりと焼いていましたよ。これも小ぶりながら味わい深い一品。いやいや、こんなお店を今まで見逃していたのが悔やまれます。
 あいにくトイレはお店にないので同じフロアの共同トイレへ、合鍵を握って小用を済ませに行きます。そこから話が広がり、女将さんと話すようになりました。以前は誰でも利用できる状態だったのが、心ない人達のせいで荒れてしまい、現在はこのような施錠をするスタイルに変わったとか。今の若いものは、と嘆くのが世の常ですが、いえいえ今の世の中、高齢者の中にも不届き者が一杯居て、と女将さんも憤慨していました。

 このようなお店の片隅に、本物の歴史が刻まれているのです。残念ながら昨年の震災で映画館の耐震性に問題がある(映画館では壁以外に柱を極力使わないため)とかで、そう遠くはない将来にこの地下街が取り壊される可能性がるという暗澹たる話を聞かされることとなりました、何とも残念な話でございます。