郷愁の大森へ

Primo改めATRE

 さて『炙り安』さんを出て、次に向うは…
 JRに乗って一駅戻りまして、大森駅です。電車で訪れるのは数年ぶりです。駅ビルが『プリモ』から『アトレ』に変わっていることも知らないぐらい久し振りなのです。南口へ降り立つととりあえず、記憶の中のお店を辿りながら、実際に歩き回ってみます。
歩き始めると少しづつ思い出し始めますが、結構お店も変わっております。一回りして目星を付けていたバーは無くなっておりました。残念なのですが無いものは仕方が無いので、偶然にも直ぐそばに良い味を出していたもつ焼き『とん兵衛』さんに入ることにしました。
 混雑した店内は奥のカウンターに何とか席を確保。初めてのお店で勝手が判りませんが、ホッピーと焼き物を注文。焼き物は一人客にはキツい5本一皿で単品5本ではなくてもOKで好きなものを組み合わせることが出来ます。ナンコツ・カシラなどを組み合わせて注文。目の前のお品書きに煮込み\450も目に入りますが、一人なので流石に控えめにオーダーします。
 焼き具合も丁度良い感じで、なかなかのお味。一人で5本も食べると一杯になりますのでゆっくり食べてホッピー二杯でお会計。もっと居たかったけれども、まだまだ他に回ろうと考えているのです。
 お次は、記憶の中のお店とは少し異なるのですが、ここも間口は狭く、いかにも大衆酒場チックなお店の『一番』さん。先程のお店とは打って変わってガラガラ。それでもゆっくり落ち着けそうなので、カウンターの端をお邪魔しまして。ホッピーはあいにく無いということですが、この日はもう既に6杯頂いているので、何の躊躇も無くチューハイを頂きます。丁度客の引けた頃合ということで、お店の御主人が賄いを用意していたのですけれども、その量たるや半端無く、どんぶり飯に、味噌汁、お新香、煮物、焼き魚(秋刀魚開き)にあと二品ぐらいありました。コチラは煮込みを頂いて、その賄いを目で頂きながらユックリチューハイを飲みます。
 さて、お次はと、駅ビルを挟んで向こう側、池上通り大井町方面(東方向)に歩きます。昔、良く通ったパスタ屋も無くなって、あちらこちらのお店が変わってしまっています。月日の流れが感じられます。大森といえば『ダイシン百貨店』の大森東口にあった『ナガサワ』というスーパーが無くなってしまってドラッグストアになっていました。環七につながる『改正通り』という通り沿いにある『千成飯店』に辿り着きました。
 その昔この大森に住んでいた頃は、終電間際で帰ってきた客で溢れかえって、ひっきりなしに鍋を振る音がしていたものでしたが、少々早い時間だからでしょうか、お店は意外なほど静かです。見覚えのある店員さんが二人、厨房に居て何だか少し嬉しくなります。往時にはあまり広いとは言えない厨房に5・6人がひしめき合って、鍋を振りチャーハンを作り、隣では麺を茹で、ラーメンを作り、という感じでした。程なく出来上がったタンメンを頂きながら、お店の人に聞くと、その当時一番若手に見えたこの方は今年で28年目で、もっと長く居たその当時のメンツは一昨年ぐらいで辞められたそうです。
やはり聞くと、当時はかなり景気が良かったということで、今はその当時の混み方ではないようです。それでも懐かしさだけではなく、今でもその味は健在でした。サッパリしながら、麺の太さもワタクシ好み。本当に満足して、今度こそ大森駅から京浜東北線に乗り、錦糸町へと向ったのでした。