高遠から山梨に抜けて〜帰京編〜

信濃鶴♪

 キャンプ場では、いつものように炭火を熾して暮れてゆく夕暮れの中、夕食の準備。どういう訳だか、ここの木々はシけっているようにも見えないのですが、火の着きが悪くいつもなら焚き火の中で炭火を熾して炭火で焼き物をして焚き火を明かり代わりにしたりするのですが、炭は熾せても焚き火から炭を抜き出すと焚き火が消えてしまう始末。諦めて長くなった夏の夕闇の中まずは串に刺さっていたうなぎを焼きます。串に刺さっているので、引っくり返すのも、焼き上がって食べるのも楽で良いです。軽く炭火で炙るだけで充分熱くなります。焼き過ぎるとタレが付いている分焦げやすいので注意。

 買って来たビール500ml+350mlを飲んで火を熾していたので、うなぎを食べて日本酒を飲み始めると、次第にハッピーになって来ます。意外にも飲み易いお酒ですが、今回初めて知りました信濃鶴というお酒、速報版に載せたお酒です。

 知らなかったのは、もう一つ、ワタクシの出身が北海道で名物といったら色々ありますがジンギスカンもその一つ。しかし、ここ信州でもジンギスカンが大変盛んに食べられているという事で、信州新町という国道19号線で南下してきたときに通過してきた町が名物として売り出しているそうです。アスパラガスも北海道が名産かと思いきや、長野と覇権を争っているのと同じようなものですね。ということで買出しの伊那市のスーパーで購入してきたジンギスカンを焼きます。本来魚が大好きですが、こういった山の中で流通が良くなったからといって無理に海鮮を探すより、こうした肉類の味付け物を選ぶ方が得策というものです。久し振りに食べたジンギスカンなので両者の比較は記憶の片隅のものと実際に食べているものの比較になりますが、遜色ない美味しさ。朝しっかり食べて来て、昼もしっかり食べたせいか、夕食はこれで打ち止め。っていうか酔ってそのままテントに潜り込み、シュラフの上で眠りこけてしまいました。
 朝、いつも起きる時間よりは少し早い4:20頃に目が覚めてしまい、着けっ放しにになっていたヘッドランプを消して、ペットボトルのお茶をグーッと飲みます。蚊取り線香はとっくに消えていて足から腕からそこかしこ痒いのです。まだ少し眠いので改めてシュラフに潜り込みますが、うつらうつらしていると、隣りのテントの連れて来た犬が6:00前から吠えます。まったくもう、と仕方なく起きてよく考えると昨日は21:00頃に寝ているので、睡眠は充分。でも他人(の管理のもの)に起されたのでチョッとイラつきます。
 いつもならお湯を沸かして紅茶でもという雰囲気なのですが、お湯を沸かすという事はストーブ(バーナー)をセッティングしなくてはならないということ。昨晩も使っていないので、こうなったら食べないで終わらせた方が撤収は早いので、少し我慢してシュラフを畳みます。身辺を改めるとズボンに歯磨き粉が付いています。ということはキチンと寝る前に歯磨きをしているということ、我ながら感心してしまいます。
 一通り撤収してバイクに荷物を括りつけ終えると、7:00少し過ぎ。やはり朝食を取るよりは、遥かに早いです。細い山道を慎重に降りてコンビニで軽い朝食を摘み地図でルートを決定。まずは高遠を目指します。今でこそ高遠は伊那市になっていますが、会津とは大変関係の深いところらしいです。高遠は二回目ですが、地元の居酒屋で飲んでいるときにお会いしていた常連さん♀のお姉さんが高遠に住んでいる方で、遊びにいらっしゃいと言われていて、温泉もあって良い所と念を押されていた場所。これは行くしかありません。
 いつものようにツーリングマップルを見ると、さくらの湯というのが公共浴場で良いらしいのですが、到着したのは9:00。オープンはあいにく10:00。一時間潰して温泉に入って帰ることを考えるともう少し先に進みたくなります。何せあの中央道の休日の帰りの混み具合ですからね(小仏トンネル付近25kmは当たり前)。
 それで諦めて、高遠から峠越えで茅野へ抜けることにしたのです。山道を快走、そう思って、順調に走っていると、ゴミの回収車が目の前の車の前によっこいしょう、とばかりに小道から出てきたのです。堪らずブレーキを踏む前車のセダン。出て来た回収車がタイミングを遅らせ合図をしたので、オレンジのセンターラインをまたいで追い越しすると、前方で青い制服組みが二人、赤いビームサーベルを振り回しています。ヤッベー!やっちまった!テンションがた減りです。若い制服にうだうだ言われている時に、年長の制服が清掃車の運転手を停めて何やら聞いています。前には同様に停車させられた、バイクが一台渋い顔。しか〜し!、その清掃車の運転手が証言してくれたので、あくまでも清掃車の方が道を譲ってくれたのでコチラが先行したという形になりお咎めなし。確か前車も纏めて抜かしたので大幅にオーバーして違反をしたように見えたのでしょうが、実はそういうことだったので、無事先に進めたのです(ヒャー危ない危ない、気を付けましょうね。)。
 ということで、そこからは社会通念と交通法規を天秤に掛けて安全運転で茅野に向かいます。杖突峠(晴々峰)という絶景のポイントもうす曇で通過しただけ。晴れた日は最高の景色でしょうね。そこそこの峠道をゆっくり進んで国道20号線に出ました。茅野から富士見と進み以前入ったことのある蔦木という道の駅の温泉も中々そそられたのですが、それほど遠くはないところにある、山梨まで足を伸ばすことにしました。

 昨年キャンプした時に見つけて置いた『むかわの湯』。去年はやはり今年同様到着が早過ぎたのでした。
 思いの外、整った設備で、ここはもともと白洲といいサン○リーの南アル○スの天然水の取水地、温泉も湧きますが、元々水質の良い所。『むかわの湯』では温泉と地下水の沸かし湯が楽しめます。文句なく良いお湯、比較的というよりも日本でも有数の濃い成分の含まれるお湯と、清麗な地下水のお湯は全くと言って良い程性質の違うお湯で楽しめました。

 風呂上りはマッサージ器に掛かって、汗が引くのを待って再びバイクに跨り、甲州街道を東進。昼はココまで来たらやはり手打ち蕎麦、大盛り。偶然入ったお店は信州蕎麦のお店。大盛りを頼んでしばし。少々チェーン展開暖簾分けしているお店の支店のようですが、蕎麦は全く問題なしツユが露骨に出来合いと言うお味が残念ですが今回最安の\650。量はそこそこで蕎麦湯は薄くはないというレベル。ツユさえ良ければご紹介に値するお店でした。

《走行距離》
初 日:東京:38419.3km〜長野市:38729.4km:310.1km
二日目:長野市:38729.4km〜飯田:38916.3km:186.9km
三日目:飯田:38916.3km〜東京:39209.4km:293.1km
合計:790.1km