江戸川橋から神楽坂へ

みつぼの豚クン

 前日の禁酒明け、昨日は飲みに行く気満々で、さてどこへ行こうかと思案しばし。モツ、煮込みのネタで情報収集すると出て来る、江戸川橋の『みつぼ』というお店に決定。船堀から新宿線に乗り市ケ谷有楽町線に乗り換え。江戸川橋駅に降り立ったのは初めて。電車で通過したことは何度もありますが。江戸川橋護国寺茗荷谷といった辺りはかなり不案内の地域であります、ワタクシ。
 地上に上がると、頭の中のうろ覚えの地図と現実の状況を照らし合わせて、やはりよく判らないので携帯のインターネットで地図を呼び出し再チェック、無事到着出来ました。思ったよりも小さいお店です。カウンターど真ん中に陣取り、ホッピー¥450(中250外200)を注文。瓶ビールと殆んど変わらない値段設定に微妙な気分です。何といっても鮮度抜群のモツということで、レバ刺し¥350を頼みます。盛り合わせ¥700もありますが、とりあえずどんな感じかわからないのでレバーで様子見です。
 これで¥350なら大満足の量。ポン酢ではないものの、酸っぱみの強い特製のタレが掛かり、ショウガ・ニンニク・ネギが添えられています。レモンスライスが珍しいですね。結構大振りの一切れで食べ応えがあります。ホッピーの中を追加してそろそろレバ刺しもなくなってきたので、焼き物を注文。
 ナンコツ(豚の喉、コブクロ(子宮)、チレ(脾臓)、タレと塩はお任せでお願いしたらナンコツだけ塩でした。全て頼んだものは¥90.チレは荻窪のカッパで食べて以来見付けたら注文するお気に入り。歯応えはそこそこに癖もなくジュワッとジューシー、脂もありません。タレも甘辛さが丁度良い具合です。ホッピー二杯目もそこで飲み干し、煮込みを追加。
 大鍋で煮込んでいるのではなくその都度小鍋で温めています。マクロで撮っているので大きさがわかりにくいのですが、あまり大きな器ではありません。でも¥290なら納得の内容。ゴボウと大根を従えてガツ、フワ(肺)も入ってモツ(シロ)が柔らかく煮込まれています。脂っぽさはないのでスルりと入ってしまいました。最近では高田馬場に支店も出したようなのでそちらにご主人が行ってしまっているようですが、名店の誉れ高いお店を訪ねられて、満足しました。
 お次はといってもまったく土地鑑がないのです。江戸川橋の交差点辺りには幾つかチェーン店がありますがパス、『みつぼ』ちかくの裏通りには、うどん屋蕎麦屋をベースにしたお店がありますが今ひとつピンと来ません。タバコ屋の御主人に聞くと神楽坂もそう遠くはないので歩いて見ることにしました。
 通り掛かりに幾つか気になるお店、心動かされるお店がありましたが、以前の『にこけん』で利用させてもらった加賀屋さんに再び行きたいという気持ちが勝ってしまいます。辺りにお店が途切れる闇の中にポッカリ浮かぶ赤提灯。『にこみ』の文字が頼もしいですね。ドアが開くと外からは想像も出来ないほどの混雑振りと熱気に圧倒されます。八割以上の混み具合ですが何とかカウンターに席を確保出来ました。
 煮込みの大鍋の前という『にこけん』メンバー垂涎(謎)の席なのです。比較的まだ若い御主人に断って大鍋の写真を撮らせてもらいました。豆腐が浮かんでいてとても美味しそうです。まずはレバ刺し(又)を注文し、それをつまみにホッピーを頂きます。大鍋の横には焼き台もありそれを眺めているだけでも充分楽しいのです。御主人も『にこけん』で訪れたことを覚えていてくれて、少しお話をさせて頂きました。
 煮込み¥500。とろけるように柔らかく煮込まれたこのお店では『煮込み鍋』は沸々と煮込まれている大鍋から小ぶりの土鍋に移して供されます。以前食べたときは少々味の濃さが気になっていましたが、今回は丁度良かったようです。よくこうした記事を見かけるのですけれども、一度行って判断するのは、お店にとっても不幸な話です。料理とは一度しか会えない一期一会という風に言われることもありますけど、たった一度で美味しかった、不味かったと判断を下すのはあまりにも豪胆過ぎるように思えます。反対に二回以上食べて美味しければやはり美味しいといえるでしょう。
 前回同様良いお店の活気に気分良く美味しいお酒を頂きながら、お店の様子を窺っていましたけれども、御主人もそうですが、片腕的な方の動きも機敏で、ホールスタッフもキビキビとして教育が行き届いているのが判ります。やはり良いお店の雰囲気は自然と醸し出されるものなのですね。
 もう一度アップでポンッ。