福島南部へキャンプ旅

キャンプ地にて

 梅雨も明けたということで海の日を絡めた3連休、福島の山奥にキャンプに行って来ました。行き先はかなり悩んで決めかねていた(長野から新潟方面も候補)のですが、前日に福島営業所の人から電話が掛かって来て、そういえば二本松に無料のキャンプ場があるんだっけなぁと、思いつつ話していて福島方面に決定。まぁなんとも行き当たりばったりなんですけど。
 慣れてはいるとは言え、五月の連休以来実に久し振りのキャンプで、荷造りで忘れ物はないかと念には念を入れて準備。大概、何かしら一つは忘れます。水を入れるバッグだとか、洗面道具だとか(今回は珍しくフィールドに出ても困るような事はありませんでしたが)。

 9時半にはバイクに荷物を括りつけ出発できました。走り始めて割りとすぐにヘルメットのシールドに水滴が付いてきました。東京地方は午後から雨が降るという予報でしたので、それが早まったのかもとそれほど気にはしないでそのまま走り続けます。何せこれから東京を出るのですから。
 向島ICから首都高に乗り、小菅の合流で少々混雑。東北道方面は混んでいるようですが、常磐道方面はそれほどでもなさそう。三郷から常磐道で一気に北上、埼玉・千葉県を通り抜けて茨城県に突入。谷和原ICで高速を降ります。その先へ行っても良いのですが、ETCの特別割引を受けて走っている人たちは良いですが、ワタクシのように特にその恩恵に与らない人間にとってはただの無駄遣いでしかないのです(涙)。
 国道294号線に出ると、改めて旅の始まりを実感します。飛ばし過ぎないように気をつけて国道をひた走り、旧水海道、現常総市を通り過ぎ、下妻、筑西市と茨城を走り抜けると、栃木県真岡市に突入。かなり端折った書き方に感じますが、実際平成の大合併により、市町村の統合でなくなってしまった町・村名、統合されて新たに出来た市名まだまだ違和感があります。以前は栃木県に入ったといっても二宮町から真岡市という流れだったものが、茨城県筑西市から栃木県真岡市へジャンプする感じです。
 真岡市の国道294号線国道408号線の合流する交差点にある宇佐美GSにて給油。まだ走れますがここが結構安くてお得なのです。熱中症に気をつけてトイレに行った後に水分の補給。うす曇りですがメッシュのジャケットを着て走っているので(転んだ時の安全対策)。

 真岡市も走り抜けて、益子、茂木、烏山と順調に進み、お昼をどこで摂るか思案しながら信号待ちの時に地図を眺めます。余り先に行くとお店も無いようなところだし、と時計を見るともうそろそろ良い時間です。結局、旧小川町、現那珂川町蕎麦屋さん付近を通り掛かった時に雨も降って来ているので入ることにしました。『ふる里』というお店です。入って小上がりに座ろうとしたら、先に食券を買うタイプでオバチャンに促されます。もり蕎麦は¥450、大盛りで別途¥200ですが、手打ち蕎麦でこの値段ならニッコリです。かねがね思っていたのですが、蕎麦は信州が有名ですけれどもどこへ行っても美味しいという経験はしたことがなく、大抵は美味しいけど高いか、思ったほどではないの二つに集約されるような気がします。それに較べると、群馬や栃木、茨城という北関東のお店の蕎麦は気取らない田舎蕎麦であるためなのか、値段は安いし蕎麦は下手すると普通にそこらで栽培しているし、量も少なくないし、但し麺の太さはマチマチであるけど美味しい蕎麦が比較的リーズナブルな価格で楽しめるのです。こちらの蕎麦はコンニャクでも練り込んでいるかのような弾力のあるもので、細切りではあるものの、何だか縮れがついているような気がしました。大盛りにしたので結構食べ応えも充分。他のお客さんを見ていると頼まないと蕎麦湯も出てこないようなのはご愛嬌ということで、ワタクシは頼みませんでした。
 食べ終えて外に出てみると降り始めていた雨がその勢いを増していて、ポツリポツリから小雨状態。それでもここで挫けてはいけないので、先に進みます。幸いにして夏ですから濡れてはいても走っている内に乾く程度の雨なら、むしろ涼しいのです。すぐに隣り合う旧黒羽から国道294号線をそのまま辿るルートで、福島県に突入、なら簡単な話なのですけれどもここでムクムクと過去に通ったことのある道を行っても詰まらないという気を起こして、急遽知らない道で行くとことにして、黒羽の街中で国道461号線経由、山道を行くことにしました。ツーリングマップルでもおススメのルートです。しかし、途中でこのルートは林道を通るルートであることに気がつき、むしろかなりの遠回りになっただけでした。オフロードバイクの方にとっては面白いのでしょうけど、ワタクシのバイクで林道の未舗装の道はキツイのです。そうこうして、八溝山をグルリと迂回するようなルートで大子町のド田舎をひた走り、ようやく国道118号線に出た時にはホッとしました。
 間もなく、福島県矢祭に突入、ここからは未開のルートです。時は既に14時を回っています。この先目標とする二本松まではまだかなり走らなければなりません。計算すると二時間以上は掛かりそうで、果たして行ったは良いけど帰りの行程も考えると行く価値はあるのか?と思うと、この近くでもキャンプ場はあるのです。目星を付けて電話をすると、OKをもらいましたので、早速買出しに走ります。スーパーは見付かるのですけれども、今回は木炭の入手に苦労し矢祭、塙、棚倉と走り回る羽目になりました。それでも街の様子が窺えてそれなりに有意義ではありましたけど。買い物を終えてキャンプ地に向かうとまたしても雨が降り始めます。雨の中のテント設営はあまり好ましくはありませんがこれ以上走るのもまた嫌なものです。

 今回のキャンプ地は鹿角平観光牧場(かのつのだいらかんこうぼくじょう)というところでツーリングマップル(2006年版)で調べると¥300の料金(テント一張り)だったはずが、受付をする段になって記入する用紙を見ると何やら値段が違うような感じ。オバチャンに確認すると去年辺りに値上げがなされたようで、ワタクシの場合¥1,100(自然保護協力費込み)になってしまうとのことでした。値上げでも良いのですけど、これは随分な値上げですね(3.6倍強)。

 まあとにかく、降り続いている雨でもあるしここに決めてきた以上移動するのも面倒なのでテントを張ります。サイトまではバイクは入れませんので手押しの一輪車を借りて荷物を移動。芝生の上で周りの先客から離れたところにテントを張ることにしました。エアーマットを広げ寝袋をセッティングし、シーツを中に敷いて鍋や調味料・食材を外に配置し水を汲んできた頃に、ようやく夕空に晴れ間が見えました(続く)。