神田界隈そぞろ歩き〜神田淡路町・須田町〜

竹むら

 神保町を歩き回ってひと通り満足すると、次なる目的地秋葉原を目指して歩きます。すずらん通りを戻り、靖国通りに出るといわゆる駿河台下の交差点から久し振りに見る明治大学の校舎。

 ワタクシが上京して来たときはまだ古い校舎が現役バリバリで様々な主義・主張を書いたりしたポスターなどが貼られたりしていて何だかお世辞にもあまり綺麗とは言えず、という佇まいだったのがこのようなリバティタワーといわれるスタイリッシュな校舎に生まれ変わりましたね。普段はその足元付近を通行するだけですので、こうして全貌を見るのは初めてかも。

 靖国通りを渡り、しばらく通り沿いに歩き東へ向かうと小川町交差点です。ここから北へ向かうと緩やかな坂道を上がるようにして秋葉原方面に向かうことも出来ますが、もう一本先の外堀通りから行けば平地で秋葉原に行けるだろうと予測してみました。
 外堀通りを北へはあまり通ったことのない道でしたが、歩き始めてこれは、と気がついたのは秋葉原方面から南に抜けて歩いて見たことがあったのを思い出しました。その時入ったお店を見つけて、そこら辺までは知っていて詰まらないので、少し裏通りに入ることにしました。すると、電柱に『かんだ やぶそば』の案内表示が幾つも目に付き、そういえば昔ここら辺も来たことがあるなぁと思い出しました。いつも近くまでは来ていたのに、すっかり意識の中から欠落していたのです。
 『やぶそば』の佇まいは有名ですし、折角来たなら写真に収めたいのですけれどもそのまま行ったのでは詰まらないと思うのは性格的なものでしょう、グルリとその辺りをひと回りしてみることにしました。

 するとこんな趣きのある建物に出くわしました。『竹むら』と読めますがお汁粉屋さんのようです。いや、これは素晴しい建築物です。

 別角度から。こんな建物が今でも残っているというのは貴重なことでしょうね、と周りから何枚か写真を撮っていると、何だか向こうにもこちらにもこのように風情のある建物が幾つも見えるのです。
 
 『竹むら』さんの向かい側にあった『けむり』というお店。これはそれほど歴史のあるお店ではなさそうですが、メニューを見るとどうやらイタリアンのお店のようです。古い建物をそのまま活かして若い人が営業されているのでしょう。





 その『けむり』の隣りにあるあんこう鍋の『以せ源(いせ源かも?)』というお店もまた素晴しい建物です。こうして写しているとどれも素晴しく目移りしてしまいます。
 すこし戻るとこれまた『鳥 ぼ多ん(おそらく、ぼたん)』というこれまた良さそうなお店。通りからは入口が良く判りませんが、表通りにではなく中通りにその入口がありました。

 いかにも入ると、和服姿の女将さん、仲居さんが静々とやって来そうな風情を醸し出していますね。こういう入口の造りというのは日本人の美意識の表れなのではないでしょうか?それにしてもこの界隈はいずれ劣らぬこのような歴史的建築物が奇跡的に残っていて素晴しいですね。調べてみるとやはり戦災を免れて、こうして残っていて都や国の重要建築物に指定されているとか。実に素晴しいです。

 そしてこちらが泣く子も黙る『かんだ やぶそば』さん。もうここだけタイムスリップしたかのように時代を超越した佇まい。そばの美味しさもさることながらお店の姿勢も評価が高いようです。それだけに値段もそれなりだとか、いずれ小金を儲けたら行ってみましょう。
 こうした素晴しい建築物がまだまだ現存する地域に心動かされながらジリジリっと秋葉原に近付くのでした。