川崎で立ち飲み二軒、そして蒲田

京急川崎駅

 生麦でふらりと入ったお店が非常に好みのお店で、満足したワタクシは足取りも軽く京急線で川崎に移動しました。後から生麦のお店情報を調べてみたら、『大番』というお店も魚が豊富で美味しいらしいという情報をゲットし、またこれも要チェックなお店ですね。

 京急線で、生麦から移動すること5つ目の駅、そこはもう京急川崎駅です。生麦と較べると、まぁ較べるべくもなく大都会に来た感じがします。とは言ってもそれぞれに味のあるお店もありますし、川崎は大都市の顔と非常に庶民的、気さくな面も持ち合わせた面白い街であります。そんな川崎の名所と言えば、ご存知朝からお酒が飲めるという『丸大ホール』さん。朝8:30から食堂としても食事が出来るし、お酒を楽しまれる方も自然に共存しているという、ある意味驚異的なお店。赤羽の『まるます屋』さんや立ち飲みの『いこい』さんが北東京の代表格だとすると、こちらは川崎の代表格ですね。
 しかしながら、丸大ホールさんのつまみというか料理は一つ一つがややボリューミーで、多少飲み食いして来た独り者にはやや荷が重過ぎます。そして本日の目的は、かつて入ったことのある『立ち飲み天下』というお店を探すことだったのです。京急川崎駅とJR川崎駅の間の再開発の波に飲み込まれるように、かつてのお店は閉店し、移転したとまでは知っているのですけれど、改めてその地を訪れて移転先の紙を探そうかと思いきや、すっかり取り壊され白い工事用のボードで取り囲まれています。

 なんとなくの記憶を頼りに歩いてみてもこれだけの大きな街では適当に歩いたってそう見つかるものでもありません。辺りをグルリと回り、丸大ホールさんのところまで来ると立ち飲み屋さんが一軒、目に留まりました。『元祖立ち飲み屋 創業1970年』となっております。まぁ入ってみることにしましょう。もしかすると情報が得られるかもしれません。
 広いとはいえないもののまずまずの広さの店内は時間的にも丁度お客さんで一番賑わう頃。厨房を囲むカウンターは、一杯で壁際のカウンターの隙間に身体を潜り込ませます。今人気の角ハイをまずは頼みます。つまみは何にしようかと迷いますけれど、考えれば考えるほど深みにはまりそうなので、しばし空酒と参りましょう。たまたま隣りに居合わせた女性の一人客に件(くだん)の『立ち飲み天下』さんのことを尋ねると*1、残念ながら知る訳もなく、若い店員さんを捉まえて聞いても知らぬ存ぜぬとのこと。話し掛けられて、丁度良い話し相手が出来たと思ったのか、つらつらととりとめもない話を話しだすその中年の女性は、馬刺し¥300を注文するかどうかグダグダといつまでも迷っていて*2、そんなに安いのなら試してみれば?とツッコミたくなります。その時、不意に携帯電話でお店を探すことを思いつき、早速検索すると上手い具合に見つかりました。結局一杯飲んだだけで辞去しましたが、また改めて訪れて見ましょう。一品一品はかなりリーズナブルな価格設定でしたヨ。

 京急川崎駅を越え、銀座街と呼ばれるアーケード街を越えて行きます。この先にはワタクシが川崎の〆として良く行く『天龍 銀座街店』さんがありますね。

 携帯電話の地図に導かれるまま、ようやく見つけました。もうかれこれ10年以上前のことです、何せ学生時代のことですから。場所も変わり店構えも変わりましたが、間違いなく『立ち飲み天下』さんです。中はもう完璧にオジサンワールド。昨今の立ち飲みブームに煽られた若い女性なんて一人もお目にかからず、スーツよりも背広と言った方がしっくり来る様な、そんな正統派のサラリーマンで一杯です。というのも以前のお店がそうだったのですけれど、酒屋さん直営、角打ちと言ってもいいぐらいのお店だったのですから。それが証拠に、大瓶が430円で飲めるのです。
 とりあえずチューハイ¥300を頼むと、壁際のカウンターで一口、うひゃぁ、甘いです。これだと合せる料理が難しいんだよな、と独りごちながらメニューを見ると割りと値段が統一されていてそれぞれを思い浮かべるとやや割高なものもあります。でも良いんです、思い出の立ち飲み屋さんをようやく見つけられたのですから。積年の思いを遂げ満足し、甘いチューハイをやっとのことで飲み干すと感じの良いマスターに心の中で恐縮しながらご馳走様とジョッキを渡します。今度来る時にはもう少し注文しますからね。

 川崎で目的を遂げると、もう今回はこれで良しとします。京急線に乗って品川経由で帰るか、JR線でのんびり帰るかどうしましょうかねぇ。丁度手羽先で有名な世界の山ちゃんの砂子店前ですからお土産で持ち帰りも検討しますが、やはりあれは揚げ立てをつまみたいものですね。

 ってな訳で、JRに揺られて蒲田に来ちゃいました(酔)。もう完全に酔っ払っていますねぇ、この行動は(恥)。でもここまで来て駅を降りちゃったら、もうあそこに行くしかありませんね。

 ということで、やはり蒲田の関所、『鳥万』さんです。ここを逃したらモグリですもんね。と言い訳をしながら入口を入るといつものように混雑した店内と、ホールのオネエサンに迎えられます。二階が空いているようで、良いですよ、階段を上がりましょう。ホッピーを頼むとサービスもね。この日のサービス品はブリ刺し¥200だったか。次に入って来た人には、品切れしたのか他のものに切り替わっていましたけれども。いささか酔っ払いつつ、2杯目の中身焼酎を頼むと、おぉーい、多いんですよねぇこちらのお店のお替りは。少々持て余し気味になりますが、もったいないので出来るだけ飲みます、ハイ。しかし待てど暮らせどキクラゲと玉子の炒め物が来ないので店員さんに言うと、炒め物が混んでいるのよね、今日は(きっと)、との返事でしたが、リフトを開けてみるとしっかり入っていましたよ、もう冷えてしまった炒め物の数々が。まぁこんなこともありますよ、何回も来ていれば。学生時代にも入ったことがあるので、先程の川崎の『立ち飲み天下』さんといいかなりのお付き合いになるようです。

 と、途中寄り道をしながらもやっぱり最後は、こんなお店はなかったなぁと目に付いたお店で、『せい家』さんというお店のラーメン500円の文字に惹かれて寄っちゃいました。ダメですねぇ、飲むとついつい。っていうかこの日はこうして記録(写真)を見返して、記憶を辿ると明らかに飲み過ぎです。自重せねば。家系のラーメンのような気がしましたが、しっかりと歯応えのある麺*3はモチモチしていて美味しかったとだけは記憶しています。しかし、その昔この筋向いぐらいにあった『たぬき』とかいうお店の担担麺(たんたんめん・タンタンメン)は結構好きだったなぁ、あのお店はどこへ行っちゃったのだろうと、学生時代の記憶に遠く思いを馳せながら麺を噛み締める酔っ払いなのでした。

*1:女性一人で立ち飲み屋さんに来ているのでその辺りの立ち飲み屋さんに詳しいのかと思われた

*2:その人は馬肉を食べたことがないとのこと

*3:確か麺の硬さを硬めに指定した