四国・九州ぶらり旅その3

2/22、四日目。9076.7Kmから。徳島、神山のキャンプ場を後にして、一旦徳島市内に戻ります。昨日上って来た道とは別のキレイな道(地元の方の通勤の道らしい)で、流石に広くて風景が楽しめます。市内は混雑しているかも、と思い途中から小松島方面(徳島の南方の町)という標識を見てこれ幸いと方向転換。しばらく走ると、国道55号に合流します。かなり整備されていて、スイスイ走れます。手持ちのツーリングマップルは関西版で、そろそろ掲載範囲を超えてくるので四国版を捜します。あいにく大きい本屋がなかったんでようやく見つけて入ると関東版しかありません。更に南に行き休憩でローソンに立ち寄り、缶コーヒー。ふと本屋のことを尋ねると3Km先ぐらいにあるそうで。道順を聞きその通り行くと確かにありました。それにしても目印の交差点を曲がって「すぐ右側」というのでずーッと右側を見ていて見過ごしたかと不安になった頃、たっぷり1.5Km先にあるとは。地方の方の距離感は全く当てになりません^^)。
 無事四国版をゲットし、九州版もあったのですが荷物になるので今回はパス。再び55号に戻り南へ。スムーズに走れるもののいま一つ、バイパスなので街の表情と言うものが有りません。旧道を行くと、街の表情は見られるものの信号が多くて進めないのですが。人間とは勝手なものですな。
 阿波橘と言う町でバイパスが終わり旧道と合流。土佐浜街道と言う名前がついています。港町で海鮮料理の旗がはためきソソラレつつも少しばかり時間が早く先に進みます。すると海岸から離れて今度は山道に。交通整理員が見えて徐行の旗を振ります。工事で片側交互通行です。釈由美子がこのアルバイトをしていたと言うエピソードをTVで語っていたのを思い出しながら、一時停止。道の駅の日和佐というところでやはり海鮮の字が躍っています。しかし山の中走ってきていきなりと言う感じで、パス。後で地図を見たら海のすぐ近くで海産物がとても有名で残念。
 相変わらずの山道で、工事の一時停止ですり抜けしてトップに立ちスタートすると、ムキになって追いかけてくる車もあります。嫌なものです。それにしても工事が多くて、少し走りにくかったです。牟岐(むぎ)というところから再び海岸沿いの道へ。天気も良くそろそろ昼食をと思い、何件か料理屋をパスし、ふと小さな漁港らしき町並みへ。細い道を入ると一軒の店がありまして、外に七輪があり期待が高まります。
 愛想が良いのか悪いのか判らないようなオバちゃんにメニューを見て「ウツボのタタキ」が単品\600であり尋ねると、定食にしてくれるとの事。右側の大葉が乗っているのがウツボのタタキです。来てビックリ!マグロの頭の煮物が同じぐらいの感じで脇役ではなく、二大巨頭と言う感じです。しらす入りのナマスのようなものも、何だか判らないコリコリした食感のものが入っていて美味しいです。ウツボはくせが無くポン酢でさっぱり。ご飯をおかわりして会計してもらうと\800。ご馳走様でした。
 腹がキツイので近くにあるらしい公園を探しますが、探し当てると季節外れで閉鎖されていました。仕方なく港へ。
 海部と言う町を過ぎ、宍喰というところに道の駅に温泉があるとのことで行ってみると、直ぐに着きました。腹がキツくて入るのを迷っていましたら、ここから室戸岬までまだ50㌔近くあること、午後は天気が下り坂で夜は雨であることなどが判りやはり我慢して、先に進むことにしました。
 空はいつしか曇ってきていてひたすら海岸沿いの道を進みます。途中『鹿岡鼻』というところで『夫婦岩』という岩があり写真を。駐車場では、工事関係の車が止まっていて若い女の子の交通誘導員がベンチで休憩しています。お邪魔しないように、岩の辺りで何枚か写真を取りました。
 更に南下すると海洋深層水の字が増えてきます。室戸岬と言えばそうでしたねと。少し行くと室戸岬です。何となく走っても海岸には遊歩道があるらしく、道路からは林しか見えません。歩くのも億劫で、更に行くと灯台への道が。先には展望台も。展望台に先に行きます。誰も居ない展望台は岬に向かって右(高知方面)と左(徳島方面)で天気が全く違います。「天気は西から崩れてくる」と言うので、これでは昨日の猫の襲撃によってテントには穴が開いてしまっているのでキャンプは無理です。と言って、室戸岬から高知市まではかなりの距離があり、2時半を過ぎて疲れた体にはキツイので今日はこの辺りに泊まることに。地図によると、ライダーズインというのが安く泊まれるとの事で、早速携帯からTELすると、女性の声で市役所に繋がってしまいました。混乱しながら聞くとライダーズインの受付もそこでやっていて、管理人さんは夕方4時にならないと来ませんとのこと。しかもシャワーは有るけど風呂は無いということで、尋ねると少し戻りますが、近くに日帰りの風呂があるとのこと。少し時間が空くので、そこに行く事に。その前に、室戸岬灯台へ意外と低かったです。室戸岬と漢字では書いていますが、看板には「むろとざき」と。「むろとみさき」だと思っていましたが?
『ホテルニューむろと』と電話で教えて貰った名前を念仏のように唱えながら着た道を戻るとさっき、「これは寂れているなー」と思って通り過ぎたところで、「どこがニューやねん」とツッコミを入れつつ。電話では\400との事でしたが、フロントの親父は「\300です。」と。安い分には文句ありません。温泉では有りませんが、海洋深層水を使っているということで、良いのですが佇まいというか雰囲気が暗く、そこが残念でした。上がって階段を上がると(風呂は地階にある)オバちゃんがニンマリ笑いかけ「ありがとうございます」と感じが良い。寂れた感じが何とも残念ですなぁ。さて、ライダーズイン室戸というのは、食事も無さそうなので今夜のご飯やお酒を買出しに行けるように町並み偵察です。荷物が多いのでこれ以上買出しの食料が積めないので偵察だけです。スーパーも有り、結構揃いそうでなかなか良さそうです。一旦投宿して再び町へ。店頭で芋ケンピが売っていて、名物なのでしょうか?魚のコーナーで物色して、やはり鰹のタタキと鯛の刺身、小さいカサゴのパックを買います。これで煮つけを。酒は、ビールと、日本酒『司牡丹』の安い紙パックの青(青とオレンジがあり青の方が安い)をゲット!バイクに戻ると又ガソリンが漏れています。先ほどガス欠し、リザーブにしてコックをひねったからでしょうか。地面に黒く十円玉程のシミが。少しブルーになりながら、小雨の降ってきた道を引き返します。
 管理人さんはとても親切で、あれやこれや教えてくれ、それが押し付けがましくなくって良かったです。コインランドリーがあり(通常より安いかも)そろそろ洗濯をと思い用意をしていると、洗剤はこれ使ってください、とフロント脇の紙箱を指します。わざわざ密閉容器に入れて来たのに使わず、折角なのでご好意に甘えることに。キッチンは必要最低限どころかなかなか揃っていて、鍋、食器まで貸してくれます。まぁキャンプ用品は持って来ているので自前でまかないましたが。カブの味噌汁と、魚を捌いて(鱗と内臓を取り、切り目を入れた)醤油と酒で煮ます、ショウガを入れて。砂糖が有るとなぁ、と思いながらビールを開けます。外の雨はシトシト、泊り客は一人だけ。管理人さんは放って置いてくれるので、一人で酒盛りです。8時で管理棟は閉まるので、そこそこに部屋に引き上げます。何となく飲み続けるも、地図を見ているうちに眠くなり9時頃には寝袋へ。あまり早く寝たので夜中に起きてしまいましたが。
 翌朝23日、快晴。管理棟は開いていないですが、バイクの駐車スペースで自前のガソリンストーブでお湯を沸かしインスタントラーメンの朝食。バイクを見ると今朝はガソリンが漏れていないようです。気まぐれです。9289.4Kmでスタート。安芸市を過ぎ、高知市へ。
 少し話が変わりますが、昔から何故か鰹が好きで鰹と言えば高知と言う印象が意識の奥底に埋め込まれているので、

   鰹と言えば高知、

   鰹が美味しいと言う事は素晴らしい事、

   ゆえに高知は素晴らしい所。

と言う訳の判らない三段論法で高校生位から憧れの地だったのです。まじばなで。これは多分に椎名誠の影響も少なからず有りますが(彼の鰹好きは有名!)
 それにしても、途中で少しづつ給油しながら安いGSを探しましたが、高知はガソリンが高いです。徳島では\118ぐらいがありましたが、\132が普通です。無くなり掛けて来たので仕方が無いので3L入れてと(3Lでも100Kmは走る)。バイク屋も探しながら走っていると、スズキのお店が右側に。ヤマハのお店の道を聞こうと、左折して方向転換しようとしたら、白バイがうまい具合にやって来ました。Uターンして信号待ちの白バイに聞くとYSP(ヤマハの専門店)は通り過ぎて来てしまってるけど、南海部品(バイク屋のチェーン店)なら近いので連れて行ってくれることに。先導してもらい、辿り着き燃料コックを見てもらうと、部品は無いのでやはりYSPへと。
 五㌔ほど戻り、YSPで見てもらいましたら、燃料コック自体の交換を勧められます。しかし素人考えかもしれませんが、パッキンの劣化ではないかと疑っているので(三重の亀山のバイクショップで相談して教えて貰った)簡単にパッキンを交換してみてもらいたかったんですが。気の良いお兄さんが見てくれて、燃料パイプからの漏れが無い事は確認。部品表をパラパラやっているとパッキンだけでも交換できることは判ったんですが、取り寄せに運悪いことに金曜日のその日の発注で、土日を挟み月曜以降です、とのこと。幾ら高知が好きでも、そこまで足踏みは出来ません。またお兄さん曰く、高知市は結構ガッカリするし、中村(四万十川の河口に位置する町)の方が高知らしい趣があるということで。松山の方ならオフロードに強い店があるからということで、部品取り寄せしといてもらって、そちらで直すことも考えました。お兄さんに聞いてもらうことにしました。すると上司らしき人がパッキンで直る保証がないとか、何とか難色を示すので嫌気が差して面倒くさくなって取り止めに。メーカーの看板背負っているからだろうけど、とかく能書きばかりですなぁ。
 それでも、ガソリンの値段の情報を聞いたり(高知は全般的に高い、この先中村方面は下手するともっと高いかも)、お兄さんには貴重な時間を使わせてしまいました。南海部品のところまで戻り先ほど見つけておいた\130のGSで満タンにして、市街地へ。『はりまや橋』というのを見に行きますが、本当にお兄さんの言うとおり、思わず探してしまいました。写真も撮らず桂浜に。
 桂浜は景勝地で、丁度昼時なので昼食をとろうと一軒入りましたが、お勧め定食が\1,500overで、退散。土産物屋や食堂の集まる辺りは有料駐車場の中。辺りを見回すと駐車禁止の看板がベタベタと。交番も目の前で仕方なく\50払って中へ。食事するんだからタダにしても良さそうなものを、と思いつつも。何軒かあるうちの海の見える二階に。
 しかしやはり観光地の食堂です。鰹のタタキ3切れで\600、かけうどん\400の結局\1,000の昼食、ヤってしまいました。気を取り直していよいよ浜へ。とても天気がよくジャンパーを着ていると暑いぐらいで、脱いで神社の方へ。とてもキレイな浜でした。
 猫に噛まれたテントの補修キットを探しながら中村に向かいます。しかし、高知市から離れてそう大きなホームセンターもある訳が無く、須崎という町のホームセンターで探して見つからず、近くのテント屋さん(店舗の入り口やイベント用の設置型テント専門店)に思い切って訪ねてみました。すると、なんと直してくれることに。こちらは値段のことが気になりましたが、「そんなに高くはないはよ」と奥さんはサクサク作業を始めます。大体の大きさを決め防水の布を合わせてミシン掛け。縫い目には目留め液を塗り、ドライヤーで乾燥を。気になるお値段は、「\1,000頂こうかしら」その声は神の声のようでした。
 これで、一安心。一路四万十川上流のキャンプ場を目指します。途中何度か電話をするも一軒目のキャンプ場は出ず、直ぐ近くのほかのキャンプ場へ。川の中州にありなかなか良い感じです。テントを速攻張り、薪を集め温泉へ。チョッと高いながらも、温まりビールを買ってキャンプ場へ。そうして五日目の夜は更けていったのでした。