四国・九州ぶらり旅その7

 12日目。3/2、10652.1Kmからスタート。博多から佐賀の鳥栖市(松雪泰子の出身地らしい。)へは50Km足らず。しかし、それでは物足りないし、前にTVの『ウチくる?』で見たときの呼子(よぶこ)のイカがとても良さそうなので、進路は西に。唐津周りで呼子に向かいます。
 数年前まで日本全国で一番影の薄い県と言われていたらしい佐賀県突入です。はなわのおかげで佐賀は一躍全国区に広まりましたよね。ワタクシもそれほど詳しくなかったんですが、今回回ってみて、意外な一面に出会いました。それは、焼き物の国なんですね、佐賀県は。唐津伊万里、有田など名だたる焼き物が勢揃いです。ワタクシ、陶芸やる事には興味はないんですが、焼き物は好きです。ただ今回バイクですし、一つ一つ回るとキリが無いので老後の楽しみに。花より団子。呼子イカです。イカしゅうまいが先に来たので一個しか有りませんが。そう言えばキリンの一番絞りで佐藤浩市が食べていたのを思い出します。道路際の看板に釣られて萬坊と言うお店に。帰って来たら、あのイカしゅうまいはどこにでも有ったんですね。道理で・・・な味でした。
 イカは、流石に美味しかったです。九州で初の甘い醤油は、一口目何と言うことなく、食べているうちに飽きて来ます。活け作りということで、身を細く切って元に戻す感じでお造りにしていましたが、このままではゲソとかは勿体ないなぁと思っていたら、オネーサンがあらかた食べ終えたところで、下げて行きテンプラに。美味かったです。でも、一人であの量はさすがに飽きてしまいました。
 贅沢な昼食の後、玄海という町が原子力発電所をやっているようで、その近くを走りながら、温泉を見つけ腹ごなしに入る事に。公営で設備の割りにとても安く中々の感じでした。露天風呂にのんびり入っているとガヤガヤと地元のオッサン達が。先に入っていたオジサンと話しています。そのオジサンは話し方からすると関東からの出張らしい人でしたが、平日の真昼間何しているんでしょうか?地元のオッサン達曰く、発電所のおかげで税金が安いとか。風力発電所もあちらこちらに。そのうち一機が回っていません。
 風呂を出ると、伊万里から佐世保市へ。本屋に立ち寄りますが未だにツーリングマップルが手に入らず。徳島での事が悔やまれます。標識を見ながら長崎まで来てしまいました。しかし地図が無いので佐世保がどこら辺になるかも全く判らずひたすら長崎の文字を追いかけます。
 しかし、右手に何やら気になる巨大な電柱状のものが。公園の管理事務所があり聞くと戦時中に使用された電波塔らしいです。高さが130m近くあるそうで。西海と言う町はこれが有名らしいですが、ここの風景は格別でした。西海橋新西海橋、電波塔。そしてその同じ場所の右側。正直言って、これだけ長く旅行をしていると、次第に『風景不感症』とも言うべき状態になってしまい綺麗な景色を見てもなかなか写真に撮ったり心動かされたりする事が無くなってしまいますが、ここは絶景でした。と言うよりここからの長崎の風景はどこも良くって、ワタクシのハートを鷲掴みにしてくれるところが多いように思えました。
 そろそろ日が陰って来て風が冷たくなって来ました。今夜の宿のYHに急ぎます。途中交番に寄り詳しい道を確認し早めに到着。荷物を置き、街へ。地図をゲットし、上機嫌で散歩を。ふとまた太田和彦氏の著書『ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇』ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇 (新潮文庫)を思い出し、思案橋へ。どんなところかも全く判らず当ても無く。しかし昼間にとても良い感じだったので長崎自体がとても良く感じられ、臆面も無くお店に飛び込み道を聞くことに。本にも書いていたのですが、長崎の女性は綺麗で、あるお店の店員さんは、道を聞いただけでお客でもないのにそこまで連れて行ってくれそうなぐらい親切で、かつ美人でした。
 探していたのはとある餃子屋さんで、歩いていても分からなくて(何軒か本店支店が有った)、ついに本屋へ。店員さんに見せると『あ、そこね』とアッサリ。さすがはジモティ。言われたとおり細い路地を探すと有りました。聞かないと絶対無理でした。ついでに言うと思案橋も見つかりませんでした、橋自体は。
 餃子にビールと言う定番をこなし、再びブラブラと。というか、辺りは良い感じのお店が多くて目移りがする感じです。ふと目に留まった立ち飲み屋へ。東京、大阪などの大都市では定番ですが、ここらでも流行っているのかなと。たたんばぁと言うお店。細長いそれこそ鰻の寝床のような、と称される立ち飲み屋で、壁面を埋め尽くす焼酎の数々。店員の男の子(たいきクン)はマスターは博多に出張して今日いなくて、と恐縮していますが、こちらは今日博多から。キャッシュ・オン・デリバリーのそのお店は奥から人が出入りする度に「背中お願いしま〜す」の掛け声が。そうしてお客さんが入って来ると奥に詰めて行き、奥から酔った方が出て行くと、まことに分かりやすいシステムで、東京からバイクでやって来たと言うと、地元の方々から質問攻めに。この店に観光客が来ると言うのは中々無いらしく、よく見つけたねぇと。そりゃぁ、好きこそものの何とやらですから。そうして暫らく話し込んでいるうちに気が付くと一番奥に居ましたとさ。