能登をぐるりと

輪島 朝市通り

 金沢で二日を過ごしたあと、今度は能登半島を回ることにします。全くといって良いほど予備知識無しで来ておりますが、どうなることやら。市内でガソリンを満タンにしてから国道8号線経由、国道159号線〜国道249号線と北上します。能登は有料道路が通っているので、そちらという選択肢もあるのですけれども、根がケチなもので有料道路というとつい避けてしまいます。
しかし帰って来てから料金表を見て調べると意外なほど安く、使っても良いかなというくらいの値段。というのも、一般国道よりも有料道路の方がより海沿いを走ることが出来て、風景が楽しめそうなのです。 ということで、結局海は近いものの、殆んど木立や生の中を走るのと同じような光景を走り続け、志賀(しか)という町で、ちょっと休憩。道の駅の施設内に温泉・足湯があるのです。暑い夏ながら、足湯に浸かると少々熱めのお湯ながら出るとサッパリしました。地元の主婦らしき二人が楽しそうに足湯に浸かって話をしていましたが、コチラは聞くともなくぼんやりと・・・。
 再び走り始め、輪島まで金沢から2時間ぐらいかなぁと、予想していましたが、もう少し掛かりそうで少しペースアップ。お昼前に何とか到着しました。輪島というと日本三大朝市の一つで有名なのですけれども、ツーリングマップルの漠然とした地図では何処で行われているのか判りません。なので野生のひらめきと第六感を働かせて港方面に辿り着くと、ありました朝市の通りです。ぎりぎりお昼前なのだからか朝市はまだやっていましたが、そろそろ引き上げ始めていました。と、少し安心してとりあえず昼ごはんをということで、目に付いた食堂にて。
朝市定食\1,100、刺身定食\1,800、焼き魚定食\1,800と店の作りからするとかなり強気な値段設定。観光地とはこういうものなのですよねぇ、ゲンナリして一番安い朝市定食をチョイス。魚は『ニギス』の南蛮漬けでお店の人は『キス』と言っていました。しかし別の客が、この魚、何?との問いにキスというので、関東から来たと思しき客は変に納得しキスってこんな味だったんだぁと悦に入っているのが、気になって気になって。お互いに別の魚のことを思い浮かべて話しているのですから。
 食事を終えて出てみると、もうあらかた撤収が終わり朝市のお店は消えていました。ぶらりと通りを端の方まで歩きます。特に面白いところもなく、先に進みます。ここ輪島が目的地だったのでこの先に進んでもただ能登半島一周という達成感のみ。くだらないので、途中から半島を横断し、反対側に。しばしの山道のあとまた海。ただ先程までと違い、道路と海がとても近いのです。また水位も殆んど道路と変わらず、凄く近い感じがします。
 能登町から穴水、七尾市と抜け能登島を経由して和倉温泉を訪れます。能登と言えば和倉温泉が有名ですね。一度は来てみたいと思っていた温泉です。 辿り着いてみるとなかなか大きな温泉街で、ホテルが軒を連ねている中に『総湯』という公共浴場があります。大人\450で内湯、露天、サウナと一通り揃っています。
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性中性高温泉)
それほど混み合っていなくて、ゆったりと言うわけではないのですがなかなかのお湯に満足し、汗を流すと最近のお気に入りマッサージチェアでリラックスタイム。それでも時計を見ると3時半過ぎ。今夜はキャンプの予定なのでキャンプ地に行かなければならないので、買出しの時間等を考えるとそうそうユックリもしていられません。
 後ろ髪を引かれる思いで、和倉温泉を後にして本格的にキャンプ地を目指します。今夜は富山・氷見にある『雨晴松太枝浜キャンプ場』という所を予定しているのです。去年の富山でのキャンプの時もそうなんですが無料のキャンプ場というのがありがたい。買出しも済ませて辿り着いてみると、既に沢山のテントが張られていますが奥のほうにはまだまだ余裕があります。沢山の外国人がいてどうやら日系を含めてブラジル系が多いようでした。ポータブルエンジンで発電して音楽をガンガンかけたりしていて、なんとも賑やかです。日本人の方が少ないように見えました。
 テントを張り、ユニセラTGに炭火を熾して、水場で買って来た『こずくら(関東で言う『わかし』)の半身を皮を剥いて腹骨をナイフで削ぎ、刺身にします。残った部分も捨てずに、取って置いて汁のダシにします。鯵も安く売っていたので、腹の中身を取り除き塩焼き用に下ごしらえ。刺身をつまみながら、半身分の『こずくら』も塩焼きにしてその味の違いを楽しみます。[]合わせるお酒は富山の銘酒『満寿泉』純米。塩焼きの魚を突きながら、お湯を沸かし、魚のアラや持参した鰹節でダシをとり、いわしのつみれと舞茸で醤油味の汁を作ります。天気にも恵まれまわりはなかなかに騒がしいのですが、穏やかにキャンプの夜は更けていったのです。