ごま

 白と黒、様々な料理の仕上げに使われたり、風味付けにも重宝がられる『胡麻』。搾っては胡麻油が取れて、それを使えばたちまち中華料理のイメージが浮かぶという香りが食欲をそそり、また韓国料理や焼肉でもふんだんに使用されております。
 そんな普段の生活の中に深く根ざしている胡麻なのですが、とある日調べて見ると驚くことがありました。食料自給率が低い日本の中にあってもなお、胡麻自給率は0.1%前後だそうです。Wikipediaによると

日本で使用されるゴマは、その99.9%を輸入に頼っている。財務省貿易統計によると、2006年のゴマの輸入量は約16万トン。一方、国内生産量は、約200トン程度に留まっている。国内の主な産地は鹿児島県喜界島など

となっております。その主な輸入元はインド、中国、ミャンマースーダン(中国は近年の急速な経済発展により国内需要が増加し輸入に転じる傾向にあること、また我が国では中国産の食品に対する不信感からその割合は低下しつつあるという報告もあります)他、南米のグアテマラパラグアイなども名を連ねています。
(←Weblioより画像をお借りしました) 
 ワタクシは以前の仕事をしていて、北関東を中心とした地方を巡っていた時には、茨城や栃木の農家では秋になると庭や軒先に筵(むしろ)を広げ、そこに採れた胡麻を乾燥させるように干している光景を数多く目の当たりにしていましたので、これほど国内生産量が少ないとは意外でした。

 また胡麻というのは外皮(種皮。黒かったり白かったり、金色であったりの表面部分)が非常に固くそのままだと余程口の中で細かく噛まない限り、栄養を吸収することなく排出されてしまうので、すり胡麻にしたり、煎ったり切り胡麻にして外皮を破らないとその折角の豊富な栄養素を取り込むことが出来ないようです。その手間を省くようにすり胡麻も製品として販売されておりますが、やはり胡麻は煎りたて、すりたてが一番香りも良く、どうせならとワタクシはいつも使う前にフライパンで胡麻を煎ることにします。そのまま使うのとは雲泥の差なので、皆様も是非お試し下さい。