宅天

 リーマン・ショック以来、外飲みの機会を減らして自宅で安く飲む『自宅飲み』いわゆる『宅飲み』が流行り、そのためのつまみ本なども売れ行き好評だったりで、ますます外食産業の経済が活気を失っていく悪循環を生み出しています。ワタクシはと言えば独り身の気楽さ故に、やはり外飲みが好きだったりする訳ですから、週に何度か神田や錦糸町界隈で飲み歩いているのです。自分の料理技術を考えると食べたいものはおおよそ作れる訳だけど、作る手間や材料集めを天秤に掛けて、これは外で食べたほうが安上がりというものはやはりあるのです。
 その代表格は天ぷら。天ぷらといえばいろいろな種を集めて、実際に食べられる量を考えるとひとり分、盛り合わせで作るのは相当なムダが出ます、ハイ。こればかりは単品で数作るか、それとも食べる人を集めて飲み会を主催しない限り打ち破れない壁です。
 ところが、サブブログの方でもお世話になっているさりょさんのところの記事でItopさんの記事から感化されてキャベツのかき揚げをということで、ワタクシも数週間前に挑戦しているのですが、天ぷらは元々ほとんどしたことがないのです。実家に居た頃は天ぷらやフライを揚げる係はやっていたのですが、衣は既に仕込まれていたので、自分で作ることもなく。一人暮らしを始めた頃に何度か天ぷらを揚げては見たものの大量に揚がっても片付けるのが自分ひとりとあってはウンザリするものでいつしか天ぷらは外で、ということになっていました。
 久々に挑戦したかき揚げでしたが、衣はこんなモンだろうと適当に薄力粉に水を混ぜてやってみたところ、見事に散らばってしまい、大量の油を吸ったキャベツの切れ端と揚カスの残骸といった塩梅で大失敗。
 それでも翌週に薄力粉・玉子・冷水と揃えてまた挑戦するもどうしたことか似たような感じでした。

 大量の油を吸って出来上がった天ぷらの出来損ないを食べ続けていたら、この歳になってくるとしんどいし太ってしまうので、これは妥協して天ぷら粉を買わないとダメかなぁと弱気になっていましたが、何だか市販の天ぷら粉を使うというのは『負け』のような気がして気がすすまないのです。
 そこへ来て、今日、会社の人から山菜を取ってきたということで大量のコシアブラを頂きました。たらの芽も入っているとのことでしたが、残念見つからずじまい。
 早速、これは天ぷらでしょうとばかりに、帰りがけに棚の隣にあった天ぷら粉に未練を残しつつ無くなった薄力粉を買って帰宅。冷水を作って玉子と分量の水でかき混ぜ、粉を振るってザックリ混ぜあわせていざチャレンジ。コシアブラに粉をはたいて衣をつけて揚げるとシュワーッと上手くいきました♪途中手抜きして粉をはたくのを省略するとテキメンに衣が乗りません。改心して、今度は短く切ったコシアブラと桜えびに粉を振りよくかき混ぜ衣ダネを少量掛けて混ぜ合わせたものを揚げればかき揚げ。二週にわたって失敗したかき揚げが嘘のように上手くまとまったのでした。何でだろうなぁ?まぁ、結果オーライってことで。