気付かなかったリマスター盤・King Crimson

’89年リマスターと’04リマスター盤

 最近アンテナに貼り付けたマイケリさんHM/HR系の音楽が好きで、オーディオにも凝っている方。メールのやり取りをしていて、リマスター盤の話になり従来盤よりも音圧が上がるものの、ヘンに音が突っ張ったり上下が持ち上げられていてドンシャリ気味になるということがあるので、余りリマスター盤が好みではないとの旨が綴られていました。
 ワタクシはどちらかというとリマスター盤は好きな方ですし、過去に何枚も従来盤を持っているにも拘らず、リマスター盤で買い直しをしたりということもありましたが、メガデスのリマスター盤を買った時のこと。リマスターの効果でベースの音圧を含めて全体的に音が大きめになり、良い部分もありますが今までの音にSEを追加したり、ギターのテイクを変えたりと今まで聴いてきたものとも違うことに違和感を覚えて以来無闇な"リマスター信奉"は捨て去りました。
 しかしやはり'80年代以前のものに関してはかなりのリマスターの効果が感じられることも事実。先日の日曜日の午後こちらを聴いておりました。
In the Wake of PoseidonIn the wake of Poseidon/King Crimson Progressive Rock
 King Crimsonの衝撃のデビュー盤に続く第二作目。基本的にはデビュー盤の路線を引き継いで、そう大きな変化は感じられず、"In The Court Of The Crimson King"のようなインパクトのある曲がないためなのか、やや(不当に?)評価は低くなっているようです。
 ワタクシはそれでもたまに聴きたくなる作品の一つとして捉えています。その昔紳士服で有名な"Sanyo"のCMで使われた曲が収録されています。ワタクシの記憶ではタイトル曲の"In The Wake Of Poseidon"が使われていましたけどYouTubeではそのCMが見つからないので曲だけ。

 それにしてもこのジャケットのアートワークは全くの素人さんにはドン引きでしょうなぁ。

 ところでこれを聴いていて、妙に音が良いことに気がつきました。普段ワタクシはスピーカーに対峙して聴くのではなく、PCに向かっていながら曲に耳を傾けるというスタイルなのですけれども、今回は本を読みながら聴いているとシンバルの音が結構リアルなのです。
 ふとCDのケースを裏返して見ると今まで気がつきませんでしたが、なんとこれも"Re-mastered"の文字が記載されています。オリジナルの発表が'70年でほぼ20年後の'90年盤ですけれどここでもリマスタリングされていたんですね、今まで全く気がつかなかったです(焦)。

 そこで、ついでに衝撃のデビュー盤"In the Court of Crimson King"を引っ張り出して来ました。下の方が、彼らの音楽に接するきっかけとなった初めてのCDです。上の方は比較的最近(と言っても3年前ですが)購入した30周年記念盤。聴き比べると圧倒的に上の方の30周年記念盤の方が分厚い音で最近はこちらばかり聴いています。細かな音も聞き取れるのも特徴です。

 これはやはりHDCD(High Definition Compatible Digital)の恩恵だからなのでしょう。
 さて、20年ほど前に購入した『初キングクリムゾン』のデビュー盤もやはり知らなかったのですが、'89年のリマスター処理がなされていたのです。
 普段、CDを購入してもインナースリーブを引っ張り出したりしないもので、気がつきませんでしたが結構こうした『隠れリマスター盤』を所有しているのかも知れませんね。