フライパンの選択

MADE IN JAPAN

 どうにも鍋が好きな性分で困ったものです。6年ほど前に買ったテフロン加工の小さいフライパンが焦げ付くようになりました。焦げ付かないからこその、存在価値があるのに焦げ付くようでは意味がありません。そもそもが親子丼のような玉子とじ物を作るのに便利なようにと選んだので比較的小さい口径の20cm程度のものを使ってきたので、それぐらいのサイズで新しいものを選んでみることにしました。
 ホームセンターに立ち寄る度に探すこと5・6回。いやぁ、色々と値段から種類からピンからキリまでとはこの事。
ホームセンターのオリジナルPB商品なんかは数百円からありますが、上を見るとマーブルコート、ダイヤモンドコート(コーティング)、セラミックコーティング、そして定番のT-Falまでその価格は2,000円前後まで。割り切って数年使うことを考えれば、安いものをチョイスしてダメになれば買い換えて、というのが資本主義社会の習わしですね、現在では。せっかく買うんであればチョットいい物を、というので飲みに行ったことを考えれば、T-Falの2,000円近いものを買おうと心に決めて先日買いに行ったところ、売り場でまたしても悩んでしまう自体に陥ったのです。
 買いに行ったのが、群馬県にある(仕事の途中でしたから)ジョイフル本田さん。値段もこなれていて幅広い商品構成、ワタクシのお気に入りのお店の一つです。
 そこで早速T-Falを見てみると一つは狙いを定めていた1,780円のもの、辺りを見ていると似たようなもので2,380円のものがありました。どこがどう違うのか、と見たり触ったりしてみるとそれほど肌触りは違わないものの、5層コーティングと6層の違いが判りました。鍋底を見てみると、ワタクシの手持ちのもの(Inginio)とはかなり違っていて、銅のような幾何学的な模様が描かれていて、熱伝導に優れているようです。
 一層ケチッて安い方を取るか、それとも折角だからと高い方を取るか、安い方で腹積もりしてきたワタクシは悩んだ挙句、他のものも見て廻ることにしました。一回りしてみるとどれもコーティングの強さを謳ってはいますが、手触りもそれぞれに異なりますが、こればかりは使ってみないことには判りません。
 ふと思い出したのは、他所のホームセンターでは見掛けることもなかった鉄製のフライパン。最近ではすっかりテフロン製のアルミのフライパンに押されて扱っている所が減ってしまっているようです。ところがこちら(ジョイフル本田)では、プロ用の調理器具のコーナーがありまして、そこで各種のフライパンを見つけてあったのでした。

 あまり大きくてもと、16cmからありますが選んだのは18cmのもの。お値段は何と980円。選んだ理由は、以前同じタイプのものでこの大きさを使っていて(事情があって処分してしまっていた)使いやすかったこと。コーティングのものは数年でイカれるけれど鉄製のものは数年使うことで油が馴染んで使いやすくなってくること、それも使い込めば一生物になる可能性が高いことです。

 厚底(2.3mm)のもので見た目以上に重くしっかりした手応えがあります。これならば揚げ物をした時にでも鍋自体の熱量で一気に油の温度が下がることが防げるはずという目論見もあります。万が一賊が押し入った時でも、しっかりした手応えを感じることが出来るはずでしょう(謎)。軽く洗ってからクズ野菜であるキャベツの外皮をちぎって炒めてみましたが、元々そんなことをする必要がない、との使用説明に書かれていたとおり、普通のシーズニングをしても見た目はさほど変わらず。何か特殊なコーティングがなされているようなので狐に摘まれた感じです。

 ひっくり返してみると鍋底には泣く子も黙る、MADE IN JAPANの文字が燦然と輝いています。今はこうした工業製品でも値段を取ると海外製品が多いですからね、何だか誇らしくなってしまいますね。炒め物をするにはやや小さいものの、主にだし巻き玉子を作りたいと思っているワタクシには、これから育てていくのが楽しみな逸品なのでした。