秋葉原・連夜行軍で

ラーメン屋にもフィギュア

 前日修理依頼をしたデジカメは、実は故障箇所もメーカーは把握済み。というのもリコールが掛かっていて、CCDという部品が不良だということなのです。ということで、修理も無料で前日夕方に預けて、翌日の昼間には修理完了というまことにスピーディーな対応で、就業後再び秋葉原に足を運んだのでした。引き換えの預り証を渡してデジカメを受け取ると、はて今夜はどうしようかとしばし考えます。昨晩と同じ行動パターンは避けたいところですし、ふと初めてのお店を思い出しました。
 オヤイデ電気のある高架下に近い『赤津加』という真に飲兵衛心をくすぐる名居酒屋がありますが、そこはワタクシにはまだ不釣合いのような気がして気後れするので、もう少し神田側に進んだところにある、『鳥万』というお店です。秋葉原というのはあまりこうした大衆的な居酒屋が非常に少ないので、貴重な一軒ですね。この十ウン年秋葉原をうろついて来て、あまり気にも留めなかったのですが、最近気が付いて、ネットで検索するとなかなか評判は悪くありません。こりゃなかなか、と一人悦に入りガラリと引き戸を開けます。もう非常に秋葉原らしくないお店ですね(誉)。間違ってもデイパックを担いだオ○クは居なくて、スーツというか背広というのが似合うようなサラリーマンが幅を利かせています。
 カウンターに掛け、瓶ビールを注文。引き取ったデジカメ(バッテリーもメモリースティックも引き抜かれていた)をセッティングし直して、レバ刺しを注文します。後からやって来たお客も注文していたから、こちらの名物なのかもしれませんね。こういう形態は初めて見ました。程ほどに薄くスライスしたレバー片を更に短冊切りよりも細い拍子木切りにしたもの。ネギとショウガ・おろしニンニクが載り、特製のタレが少し掛かっています。残念ながら魔法の白い粉(○の素)がパラリパラリと。でも意外と下町ではこれが普通に見受けられます。家の近所の定食屋では、イカ刺しの刺し猪口に醤油を入れて魔法の粉をパラパラとやってくれたものですから、その後行かなくなってしまいましたが。
 それで、『タレが掛かっているから、薄かったら醤油掛けてね』と言われて一口やっていると隣に居た同じレバ刺しを注文した客はいきなり醤油を掛けて女将さんにたしなめられていました(苦)意外に聞いていないものなのでしょうかね?テロテロとした訳でもなく細切りの割には食感があってなかなかの一品です。
 その後ビールがなくなりかけてきた頃、隣にやって来た新しい客がホッピーを注文。なんだあるじゃないですかしっかり。ホッピーの字がメニューにも、壁の品書きにもないのでてっきり無いのかと思っていました。こちらも丁度良いタイミングなのでホッピーを注文、焼き鳥も追加しました。取り立ててコメントするほどのものでもないのですが、良いんです、コレはコレで。目の前の冷蔵ケースから取り出し後ろ向きに焼き台に構えるマスターですが程なくして焼きあがるその速さは特筆すべきものでしょう。きっとガスですが。
 ホッピーの中も追加して厚揚げ焼きも食べて〆て¥2,600程。秋葉原ではあまりこの手のお店は少ないのですが、これはサラリーマンのオアシスのようなお店ですね。後で思いついたのですが、神田や御徒町・上野といったサラリーマンの集まる街の狭間に位置し、電気街という特殊な環境のためにこうした居酒屋があまり必要とされなかったのか、と。いずれにしても秋葉原でちょっと飲もうと思いついたら寄れる憩いの空間なのでした。写真からも判りますが、こちらのお店の割りものの焼酎は『千石』です。グルメッチー☆さん・元坊さんと行った加賀廣@神田千石町店でも御馴染みの癖のない焼酎です。