埼玉にも美味しい蕎麦あり〜甚五郎〜

 先週の水曜日のこと。会社の先輩に運転役を頼まれて一緒に埼玉は本庄・児玉方面に出掛けて来ました。加工の協力依頼をしてその実際の工程を打ち合わせ・確認してきて予定よりも早く終わったので、もう一軒別の加工協力をしてもらっている所に立ち寄ることにしました。丁度お昼時でどこかで食べようと道すがらお店を探していました。先輩はステーキでも(ここで断っておきますが、こうした仕事の都合で遠出するときは会社の経費で昼食代として領収書で落とせるのです)と昔の記憶を頼りに方角を指示しますが、その道は混雑していて動きそうにありません。手前で手打ち蕎麦のお店を見つけていたので、すぐさま横道に入り方向転換して来た道を戻ります。ステーキなんて洋風なものよりもむしろ蕎麦に上手く誘導できましたので密かに喜んでハンドルを握ります。

 『甚五郎』というお店の前には3・4台、奥にはもっと多くの車が置ける駐車場があり敷地はなかなか広いようです。
 やや民芸調の内装の店内はそれでもそれほど古くも無く大きい天然木のテーブルと小上がり、そして奥にはお座敷もあるようです。壁に掛けられた振り子時計がちょうど正午の鐘を鳴らしました。


 続々とお客さんもやってきます。厨房もフル回転ですがユックリ待つことにします。それにしても空腹ということもありますが、厨房のそばに座ったので目の前を運ばれて行く他のお客さんの蕎麦の美味しそうなこと!メニューで目ざとく見つけた手作りコンニャクの刺身で繋いでおきます。



 待つことしばし、ようやくやって来ました。まず先輩のかも南蛮¥1,400。今回は仕事の都合でカメラを持ってくることになっていて、会社のよりも自前の方が使いやすいので自分のを携帯していたのです。薄口のツユは非常に魅力的です。一口飲んで先輩も唸っています。
 引き続いてワタクシの一枚目、せいろ¥730が来ました。細打ちですがバラつきがあるのは手打ちの味わいです。たおやかな麺は写真撮影をしているのももどかしく、箸をつけました。写真では判りにくいですが、白いのではなく蕎麦特有のやや緑がかった蕎麦です。蕎麦の風味が立ち、甘みもありこれはイケるとすぐに判りました。つゆはかも南蛮同様色味はやや薄めですがしっかりしています。

 半分ほど食べていると次の二枚目、太打ちせいろ蕎麦¥850が来ました。これはもう見た目からして歯応えがありそうです。蕎麦自体もやや黒み掛かっています。口に含むと、幅は広いものの厚みはさほどでもないので押し返すぐらいの歯応えということもなくツルツルと入っていきます。美味しい蕎麦は二枚目でもスピードが落ちることなく入ってきます。


 つゆは鰹と昆布の基本の他に、椎茸の風味がとても強くいいお味です。椎茸が苦手な方はおススメできませんが、ワタクシは結構好みです。麺が美味しくてもつゆが、というお店も多い中バランスの取れた蕎麦だと思います。


 濃い目の蕎麦湯も頂いてすっかり満足満足。ご馳走様でした。ワタクシは種物よりもむしろ蕎麦本来の味を楽しむため初めてのお店はせいろ(もり)を頼むことが多いのですが、コチラのお店は蕎麦自体のレベルも高いのですが、種物も結構凝っていて次回は挑戦したいと思わせるものが豊富にありました。むさし野ごったのらそば、つけとろそば、ぶっかけそば、辛み大根そば、ひきわりそば、翁そば、明日葉天せいろそば、極楽うどん、地獄うどん等など。
 これまで全国を旅したりしてアチコチで食べてきましたがこれまでで五本の指に入る味でした。
■むさしの庵 甚五郎
■住所 埼玉県ふじみ野市大井武蔵野1287-70
■電話 049-261-8007