秋田・日本壹は個人的に『日本一の居酒屋』の称号を差し上げたい

にこけんですから

 時間潰しをしていた土崎という場所からは、その日泊まる旅館のあるJR秋田駅前までは普通に走って10分ほど。15時半とは言っても、少しぐらい早めでも荷物の積み下ろしもあるし問題なかろうとサバ読んでみたのです。案の定、途中の郵便局で軍資金を調達したりと、到着して荷物を降ろしてチェックインしたのは15:20ぐらいでした。
 部屋まで(3階)の階段を重い荷物を担いで上がり、24時間のヒノキ風呂に入ってサッパリ。部屋で少々ゆっくりして、さて行きましょうか!
 この日は8月10日の月曜日、これほどまでに秋田市に来たかった理由とは過去に何度か訪れている、『日本壹』というこちらのお店。予め、初日の福島・白河で電話して定休日は日曜日で、この日は営業していることを確認済み。そのために、ひと息で来られる距離をグズグズして二日掛けて来たのでした。せっかく来てお休みでは悲し過ぎますからね、ガーーー(TДT|||)ーーーン
 この写真は飲んで出て来てから撮ったもの。実際に入店した時はまだまだお日様の明かりも残る17時半過ぎでしたので。泊まった旅館の一本裏手にある通り沿いにあり、しかもそこの間を繋ぐ道には大きな個人病院とその医師宅がありその名も『高清水医院』。これにも何かの因縁を感じます。
 口開けの客だったらしく、お店はまだ静寂に包まれておりました。カウンターのほぼ中央に席を決めまして、瓶ビールを注文します。一人ひとり、このように紙のシートが敷かれて居てちょっと小料理屋さんチックですが、箸袋に記載されているように、『荒磯料理 日本壹』というのが正式らしいです。男鹿の食材を使った郷土料理が多いのですが、後述しようと思いますけれども、値段もピンからキリまであって身構える必要は全くなし。かれこれ3回目ですから、おおよそのところは摑んでおります。
 反射してしまい、見難いのですけれども、何と言ってもここに来たら(一人ではという意味ですが)このセット料理というのがおススメです。メニューを見ていてはあれもこれも食べたいということになり、決めかねてしまいますが、そんな時はこういうセットでお任せしてしまうのが良さそうですね。
 お通しがまずは運ばれて来ました。焼きナスを冷やしたものにポン酢を合わせてあり、やや中華風のクラゲの冷製に彩りのキュウリの緑が鮮やか。夏の疲れた身体に嬉しいサッパリした味ですね。焼きナスは皮を剥いてあるのですけれど、焼いた香ばしい香りが残してあり思わず唸ってしまいそうです。










 お造り三品。海老と平目、そしてもう一品は、┐(´д`)┌忘れてしまいました。右下の白いものですが何か貝類だったような気がしますが、後で見直せばいいやと写真を撮って満足していたらこのザマです。言い訳になるのですが、料理の出てくるタイミングが早くて、あっという間に次々出て来てしまい、圧倒されっぱなしなので、嬉しい悲鳴です。








 じゅんさいの酢の物というかポン酢を合わせたもの。食べられる菊の花のおひたしが綺麗ですね。じゅんさい秋田県が名産のようです。たまに食べることがあっても小さい何かニュルニュルしたものだったりしがちなのですが、この時のものはしっかりした歯応えを残すシャキシャキしたものでした。食用の菊はお隣りの山形では『もってのほか』と言われ普通によく召し上がられているようですが、その影響があるのでしょうか。







 煮さざえ。蓋を取るのに苦労するかなと思いきや、調理場で外してくれていたのかすんなり外れました。辛くもなく甘過ぎない味付けでこれまたお酒が欲しくなる一品ですなぁ。とここまで下拵えしたものを冷やしておいて、ポン酢を掛けたりあしらいをすればすぐに提供できる状態にしてあるのか、怒涛の、とも言うべき速さで運ばれて来てしまいます。こちらはゆっくりそれぞれを完食する間もなく、大量の料理の皿が並ぶ事になってしまいました。入口すぐの個室にはいかにも、の水商売のキレイドコロが何名かとママ、そして社長と呼ばれる男性が刺身盛りを頼んでいましたが、これも比較的早くに提供されていたので、もしかすると調理場は物凄く手早く仕上げているのか?とも思いましたけど。
 もうそろそろの声が聞こえる、さんまの塩焼き。身が大きくこれは結構食べ応えがあります。身が波打っているのは『踊り串』という身をXの字に交差して串を刺してグリルで焼いているためだと思われます。一見、多目の塩に感じましたが、食べてみるとそれほど心配したほどでもありませんでした。ここで一通りのセット5品が終了、ここからはメニューを見て注文しましょう。っていうか、結構ここまででも大分お腹は満足してきているのですけれど。


 ご覧のとおり、高いものは¥1,200とかから安いものでは¥2・300のものまでと、非常に幅広いラインナップで、どれにしようかとお腹の具合、そしてもちろん懐の具合とも相談しながら、注文できます。またそれぞれ秋田県産の食材を使った料理にはキャプションが付いていて非常に判りやすく、またこうしてみると秋田というのはバラエティに富んだ食材の宝庫であることに気づかされます。お米はもちろん、水も旨いし、自然は綺麗だし、もちろんお酒も良いのが揃っていて秋田はこれまで回った中でも気に入った県のランキングでかなり上位に入ります。
 アジのたたき。これはまた、実に・・・なんて評価したいのですが、結構普通でした。鮮度の良いものなら日本全国そこそこ同じぐらいのレベルになりますね。でもこのミョウガが実に鮮烈な香りがしていました。そうは言っても、これで¥380ならやはりお安いといってもよいかもしれません。日本酒は雪の茅舎の純米¥550を合わせました。









 最後にほるもん煮込豆腐¥350で打ち止め。『にこけん』ですからね、ここは一つ行っとかないと。柔らかく煮込まれたもつは、やや甘めの味噌で煮込まれています。東京の下町ではキリッと濃い目のやや辛口に仕上げるところもありますが、秋田は甘めなのでしょうか?日本酒も高清水の本醸造で(普通にお酒と頼むとこれが出てくる)、すっかり満足してお会計。こんなお店が近所にあれば通っちゃいますね、間違いなく。お腹も心も満たされてお店を後にしたのでした。