横浜・野毛+伊勢佐木町めぐり・後編

大岡川より

二軒回ってエンジンの掛かってきた二人は、野毛から日ノ出町方面にぶらりと歩きます。JRAの場外馬券場の前から坂道を上りながらお店をチェックし、南に下る坂を下りて日ノ出町駅前の繁華街に出ました。チョコっと気になるお店を見つけては歩み寄って、店の雰囲気を窺って寸評し決定には至らず、を繰り返すうちにとうとう日ノ出町の賑わいから外れて少し落ち着いた辺りに一軒のお店を見つけました。看板に惹かれて入ったのですが、ドアを開けて見ると暇な店主はソファにひっくり返っていて全くやる気を感じさせず、かと言ってそのまま閉める訳にも行かず成り行きを見ながら入り口付近で飲むことにしました。特に何かつまみを取るように促されることもなく、お通しで出されたゴーヤのお新香をつまみに二人で話しながら飲んでいました。それぞれ二杯飲んでお会計して次に移動します。ということでコチラのお店では時間の無駄だったので名前は伏せておきます。

 再び黄金町方面に歩を進めてランドマークタワーを眺めながら、大岡川を越えると今度は曙町辺りに出ます。昔、Mさんが勤めていた会社の先輩に連れられて来た焼き鳥屋、というのを記憶を頼りに探してみますが、どうやらこれらしきお店という候補はあるのですが、外に貼られたメニューを見る限り結構良いお値段ですので予算外。ふらりふらりと伊勢佐木町方面にも足を延ばします。飲み屋さんを探すというのも目的なのですが、こうして散策するのが楽しいのですね。

 大通りの一本裏側にある公園沿いに見つけた夜の闇に煌々と明るく電気が灯る定食屋さんの『いちばん』さん。朝7時から営業しているようです。もし近くに住んでいたら便利に使えるお店ですね。一杯やりながらも良し、ご飯だけを食べてもいいし。
 
 外に掲げられたメニューを見ると、おおよそ東京よりも全体的にお安目のような気がしました。バーのカクテルでもそうなんですが東京よりも横浜の方が若干安い傾向にあります。地価の問題なのでしょうか?横浜で暮らすというのはなかなか良いものです(過去に二年ほど経験あります)。実際に入ってはいないので、『盛り』は判りませんけれども定食が¥550とかって安いですね。
 こちらも明るく営業されていた『スタミナカレーのお店 バーグ』さん。カレーのお店のようですが、『バーグ』というネーミングから想像するとハンバーグを載せた『ハンバーグカレー』とかメニューにありそうです。男子に人気のありそうなお店ですね、『スタミナ』とかついているし。
 そうこうする内に、Mさんが過去にお世話になっていた先輩その人(M子さん)から連絡が来ました。この街が好きで数年前に引っ越して来たという筋金入りの方です。

 仕事が終わって合流なさることになって、伊勢佐木町の老舗の『John John』(ホットドッグで有名)さんを目印に待ち合わせることにしました。ワタクシ、こちらのすぐ近くのお店で、飲食店のアルバイトを生まれて初めてしたのですけれども、その頃から知っていますけど入ったことはありません。その当時と全く変わらずの佇まいで、懐かしさを感じました。
 その『John John』からすぐ近くにある、以前見つけた面白い名前のショットバーで時間を潰すことにしました。その名も『ショットバー オバマ』さんです。"Since 2009"となっていて、時流に乗ったといえば聞こえは良いですけれどもいかにも、のネーミングでワタクシ一人なら入る気になりませんでしたが、面白いもの大好きなMさんはススッと入ることに決めたようです。
 店内は大音響で音楽が流れる長いカウンターのお店で、テーブル席もありますがパブを居抜きで使っているような内装で、半分クラブのようでもあります。実際外国人客はそこで踊っているのかもしれません。
 インターナショナルな店員さんで構成されていてカジュアルな雰囲気は思ったほど悪くありません。チンザノのソーダ割りをチビチビと飲っているとM子さんから連絡があり間もなく無事に合流出来ました。三人で再び乾杯するとそこに、M子さんの旦那様も来られるということで人数は倍増しました。
 一人、また一人と来て、その度にドリンクを頼むのでなかなか次のお店に行くことが出来ません。でもそろそろ切り上げないと我々も終電の時間がありますので思い切って移動を提案をさせてもらって先程歩いている時に見掛けた焼肉屋さんに行って見ました。『ひょうたん』というお店で、M子さんご夫婦によるとこの横浜辺りには何軒か支店を出しているお店だそうです。ミックスホルモン¥290(税別)の安さに釣られて入りました。先程飲んでいた『オバマ』からは思っていたよりも遠く離れていて、帰りの関内駅まではかなりありそうです。大通りに面した『コジマ』の裏手に位置します。



 お店のラストオーダー時刻近くに入店してしまったので、最初に大量に注文しました。我々はそうでもないですけれども、M子さんご夫妻(旦那さんのお名前はCさんと判明)はまだ晩御飯を食べていないのでこれぐらいは軽いのです。特に豆もやしのナムルがイケました。ホッピーを飲みながら、MさんとM子さんの過去の話や、ワタクシとMさんがこうして飲み歩きのフィールドワークをしている話、更には音楽の話(ご夫妻はパンク好き。パンク好きのご夫妻は初めて会った)で盛り上がるのですけれども、そろそろ終電の時刻が気になります。名残惜しさを感じながらも、急いでタクシーに乗り込み関内駅へ。京浜東北線横浜駅に出ると横須賀線(総武快速線)で一路錦糸町へ。危うく千葉に入る前に目が覚めて無事帰りつくことが出来ました。