東北・岩手応援の夜

奥様公認酒蔵 岩手屋さんにて

 先月の末のある夜、ぽぱいさんと再び角打ちを攻めようということで、やって参りました御徒町。赤羽橋方面を攻めた後に前回お邪魔したところ、思いの外早仕舞いでしたので、入ることが叶わなかった槇島酒店さん。今回はその雪辱に燃えております。槇島酒店さんは一人では何度か訪れているお店ですので、まぁ何となく勝手は知っているものの、土曜日に来たのは初めてです。
 そぼ降る雨の中、ガラリというよりスルスルスルとスライドドアを開けると、見慣れぬ光景が広がります。ここは立ち飲みのはずなんですけれど?と疑問符が脳裏をよぎります。皆さんカウンターに向かって一列に着席しているのです。立つ気満々で来ていたので、呆気に取られながら奥に入り立つかどうするか迷いつつ、ご主人に勧められるままビールケースの即席の椅子に着席しつつ白神山地のナントヤラ*1というお酒を頼みました。代金を支払いながら尋ねると、土曜日はそれほど混まないので、座って飲めるようにしているとのこと。

 実はすれ違いでお待たせしてしまっていたぽぱいさんがやって参りまして、カウンターには入る余地もないし、こちらも立ちたかったので後ろの方のテーブルで立つことにしました。
 早速乾杯して、先のような事情を話し、いつもの雰囲気とは又違っているということを説明させて頂いた後、この日の後の予定を話しました。とりあえずは前回のリベンジとして槇島酒店さんに入ることは出来ましたが、二軒目はどこか昔からある大衆居酒屋に行きたい、とのご希望でした。そこら辺だと、秋葉原の赤津加さんか、神田のみますやさんぐらいですかねぇとメールで返信していた時に、ふと思い出したのが湯島のお店。我々は角打ちもそうですが、『都内の居酒屋さんで全国制覇する』という目標も掲げていますので、以前一人で湯島辺りをぶらついている時に見掛けたお店が何とも良い風情で、そのことを思い出して検索してみると、やはり色々と本やTVなどでも取り上げられている古くからの酒場だということを知ったのです。その旨を伝えると、そりゃァいいねぇと同意してくれたので、ぽぱいさんにはそもそも翌日に用があって早めにお開きになる予定でしたのでお酒をグビッと飲み干すと移動することにしました。先に述べた赤津加さんかみますやさんだと歩いてというのは結構な距離になるから、湯島なら余裕で歩いていける距離なのです。

 『奥様公認酒蔵』の文字が燦然と輝く岩手屋さんです。下調べしたら今甚大な被害をうけている岩手県陸前高田市の酔仙というお酒をメインに据えているとのことでしたが、こちらのお店はやはり岩手の七福神が看板でした。もう一軒すぐ近くにあるお店の方の看板には酔仙が掲げられ、それぞれご兄弟で経営されているとのことです*2。両方店構えを確認して選んでもらいましたが、やはりこちらのお店の方、ということで意見が一致しました。

 入ってすぐにお客さんの年齢層の高さに気が付きます。入る前にチェックしたお料理などのお値段も少しお高め、自然と若者には近付き難い風格というものが滲み出ます。普段ならこうしたお店は敬遠してしまうのですが、たまには良いものでしょう。また今回は全国制覇の一環として、また被災地への支援ということにも繋がるということでわざわざ選んだのですから。
 瓶ビールがサッポロということでリセットの意味も込めて中瓶をもらうことにしました。つまみを選んでいると、なるほどお酒が進みそうなものばかり。『にしんのきりこみ』は馴染みのあるお酒によく合う一品。

 当然次はこうなりますよね(笑)。七福神と菊の司をそれぞれ1合ずつもらって飲み比べ。七福神の方がややあっさりした味わいで、飲みやすい感じ。翻って菊の司はしっかりした味わいで、男性らしい骨太感を感じることができあます。又この入れ物が堪りませんね。

 お値段的には一合で640円から、物によっては1,000円ぐらいのものまで。高級店では一杯2・3千円というものもありますが、そういったものはお呼びではないですね、我々には。照明が反射して見にくくてすいません。

 入ってからカウンターで賑やかだったお客さんも次第にお会計を済ませて帰られて、先程の喧騒も嘘のように静まり、ゆっくり傾ける酒の旨いこと。深酒をしないように気をつけ、二人それぞれもう一杯ずつ飲みながら、次はどこへ行こうかと思いを巡らすのでした。

*1:詳しい名前は失念

*2:どちらがお兄さんなのかは尋ねていませんが