予定外の福井の夜

ホテルからの眺望

 そんな訳で比較的早めに福井市内に到着し、YHに泊まろうとしたら会員カードを忘れてしまっていて、改めて入会するとなるとベッド貸し他人との同室という条件で軽く五千円越えのアンビリーバボーな値段に、ヤッパリ止めます、と青年会館の受付で断り、そこに備え付けの電話帳ですぐ近くのビジネスホテルをゲット。近くの割りに場所が良く判らず、走り回った挙句に、再TELしようやくチェックイン。思ったよりもキレイなホテルでここ福井も何故か片町という繁華街の目の前という好立地。シャワーを浴びて一眠りすると今宵もまたご出勤。
 暮れ行く片町を一通り流し、目ぼしいお店は近くに行ってメニューが出ていたらチェック。割とこじんまりとした繁華街のようです。スナックや飲み屋さんが固まっていますが、福島の郡山に近い雰囲気でしょうか。端まで行って折り返し良さそうに思ったお店にGO!
 ・・・がらりと引き戸を開けると店内は見渡せないように壁を隔ててカウンターがあります。先客がチラホラ、小上がりにはまだ居ませんが何か作業中のように紙が置いてありました。カウンターの端に陣取ろうとしたら、お絞りなのかダスターなのかお盆と置いてあるので一緒にして端に押しやります。こりゃ外したかナァと少し後悔。比較的若いマスターは真っ黒に日焼けし、短髪でスポーツマンタイプ。おかみさんなのかホールの女性はチョッと釣り合いが取れないような感じの女性です(失礼)。突き当たりにある冷蔵ケースで冷やされている一升瓶で目に付いた黒龍『しずく』を注文。特殊な蓋(留め金できちっと締まるタイプ)で何だか高そうだなぁと嫌な予感がしましたが、注文してしまったものは仕方がありません。ツィーっと一口、大人しいお酒です。派手な吟醸香はあまり感じられず、中口という印象のいくらでも入りそうな、危ないお酒。お通しは糸コンニャクの炒めたキンピラ風の和え物。メニューから、お酒に合わせて、しかも日本海最後の都市という意味で選んだのは『アジのたたき』どうということはない一品ですが、日本海の鯵は締まっていて実に美味いのですぞ。少しぼやけてしまっていますが。先に述べたようにラフな服装のご主人に期待を殺がれていましたが、やはり美味かったです。金沢の醤油・味噌屋さんでも伺いましたが、基本的に北陸も醤油は甘めのようです。供された醤油も甘めですが九州のようなドろっとした醤油ではないのですが。ミョウガが効いていて実に香りがいいです。
 先が長いので、軽くここでお会計。これだけで\3,900。いやぁ高いなぁ、と思って帰って来てネットで調べたらこのお酒、黒龍『しずく』が実に高級なお酒だったのです。(←青文字をクリックしてみて下さい)通常飲食店の原価率は30%が上限といわれますから、この一升瓶の値段を考えてみるとそれ以外は実にリーズナブル。その時は高い店で失敗したかと思ったんですが、今度行った時はもっとじっくり攻めてみたいです。ということでその時はお店の名前もチェックしなかったのでご紹介できません(恥)。
 続いて再び夜の街に繰り出し先ほど、夕方に水を撒いていたお店『源太』さんに行くことに決めました。(ココもマスターが良い男です、どういう訳だか。福井は美男の地なのか?)カウンターには先客が二人。水槽には巨大なサザエがへばりついています。チョイとお邪魔しまして、ビールはアサヒなので酎ハイを頼みます。しかしこれも樽ハイなので甘くて失敗、ピッチを上げて飲み干します。県外から来たというと刺し盛りを勧められてきたのがコレ。実に豊富な海の幸ですね。それぞれ別に珍しい食材でもないのですが、基本的に充実しているのが判ります。こう言ってはなんですが、見た目よりもやるな、というのがこのマスターに対する正直な印象です(失礼)。それで勢いに乗って甘くない酎ハイ(焼酎のソーダ割)を追加。何で日本酒にしなかったんだろう?そうして福井といえば『へしこ』。鯖や青身の魚の糠漬けですね。東京でも食べられますが、生の方が珍しそうなので生を頂きます。 かなり塩辛いので一切れでかなりお酒が進み、ついつい更に2杯飲んでしまいました。それでも大根おろしを乗せて頂くとバランスがとれ糠の風味もいい感じです。まさに飲兵衛殺しの逸品です。 また金沢・福井と巡っていて思ったのですが、カスター(一般の方はなんと言うのでしょうか、醤油やコショウなど調味料のテーブルに置いている総称、飲食店経験者@関東なら直ぐ判るはず)の中に爪楊枝などに混じってマッチやライターが常備して置いてあるのが印象的でした。特にこのお店では、真ん中奥に見える双眼鏡が特徴的でメニューを見るのにでも使うのでしょうか?(笑)
 そろそろ、煮込みのことが気になって、焼き鳥屋さんに行きます。金沢でも探しましたが、入ったお店ではどこも置いていなくて、外に置いてあったメニューを見ると一軒だけ牛スジの煮込みが目に付いただけ。ここ福井でもこの焼き鳥屋さんでも見ませんでしたし、他でもありませんでした。煮込みってあまり北陸では飲食店で食べるようなものではないのでしょうかネ?酎ハイ(甘め)と焼き鳥を頂きます。焼き鳥は5本で一人前一皿。それでも小さい串なので食べきる事ができました。それにしても5本で\250一皿というのはなかなかお目にかかれないスタイルではないのでしょうか。もうかなり飲んで食べて来ましたから、これにて終了、お会計も3桁で済みました。