閉所恐怖症のお店

 年末までは寒かったりそれほどでもなかったりしていたのですが、年明けてから朝晩は結構冷え込むことが多いようです。先日のことです。地元の錦糸町の東南部『花壇街』といわれる辺りにある一軒の焼き鳥屋さん。時間も早いのですが、以前一回訪れて19:00までなら生ビールが安いということを知っているし、鳥はなかなかだと思っていたので行って見ることにしました。
 まだ時間も早く口明けのようで、女将さんは入り口を開けたまま何か用を足しに出てしまいました。店内には前回いた板さんが迎えてくれます。良いガタイにTシャツをまとい、開けっ放しの入り口からの寒風も気にしていない様子。鍵の手に曲がったカウンターの入り口からストレートの所に座ったのですがワタクシにはモロに吹き付けて寒い寒い。生ビールを飲んでいてもちっとも美味しくありません。
 帰って来て暫らく何事かしてそれでも暖房が強いわけでもないので、室内が暖まる前に女将さんはまた開けっ放してどこかへ出てしまいました。ワタクシは寒いのには強い方ですが、飲んでいるときに上着を着て丁度良い温度の居酒屋さんでは飲みたい訳ではないので、上着を脱いで飲んでいるととても寒いのです。鍵の手に曲がった向こうに掛けたお客さんはそれほど風が吹き付けないのであまり気にもしていないようですが、板さんに『どうにも(キチンと戸を閉めないで)ルーズだネェ』と嫌味を一言。女将さんがオーナーらしく板さんは雇われのようで、強くは言えない様子で、済みませんとドアを閉めにいきました。
 そこでママは閉所恐怖症なんですと教えてくれました。それで無意識のうちに少しドアを開けてしまう癖があるとのことです。どんなに寒くてもタクシーに乗ると直ぐに窓を開けるそうで一緒にいる人たちも大変ですネェ。しかしそれをこの時期お店でやるのはいかがなものでしょう?可哀そうにも思える事情ですが寒々しい心と体でお店を後にしました。