花園通りから千束3・4丁目をゆく

安全で安心な街 よしはら

 花園通りと書かれた標識というのか、写真を撮っていると向こうから歩いて来た、これまたカメラを肩から提げている二人連れが、『そうなんだよね、花園通りなんだよね』と意味深な会話を交わしながら颯爽と歩いていきます。撮るわけでもなし、彼らが何を撮っているのかが却って気になりますね。

 ここから道路沿いに行くと、何てことのない普通の町並みから一変して、いわゆる吉原の危ないゾーンに突入するのですけれど、そこら辺は前回も取り上げたので、前回見落としている地域を重点的にぶらついて見ることにします。ということで進路は若干右に変更。そうすると間もなく千束通りの浅草4丁目の交差点に建つ大きなパチンコ店の姿が見えてきます。250円弁当でおなじみのデリカぱくぱくさんがある近くですね。

 千束通りに出る手前にも幾つか飲み屋さんが現れて来ます。『牛もつ煮』という文字に思わず反応して撮ってしまいました、『○に福』で丸福さんとお読みするのでしょうか。以前見かけた記憶では下町の居酒屋さんという感じで、この日はまだ営業時間前のようでした。

 ○福さんのお店の前から北東に伸びる道路を行くと、次第に花園通りの一本裏手の道路に繋がります。そこで見掛けた不思議な看板のお店。『汝惚爺』と書かれていてきっと当て字なんでしょうが、何と読むのか分からずにカメラを向けていると、そこに自転車に乗った男性がやって来ました。お店のドアを無造作に開けると、声を掛けるでもなく後ろ手に閉め、再び自転車に跨ります。失礼ながら声を掛けさせてもらうと、やはりお店の方で、『なぽじい』とお読みするそうです。なるほど言われれば判読できますが、謎めいた当て字のお店というのは、地方のスナックなんかには良くあるなぁと思ったのです。しかし、由来を聞くとビックリ、以前はもう少し違うところで『ナポリ』という名前で営業していたお店ということなのですけれど、その名前の名付け親がかの永井荷風氏だというではありませんか!そういわれると、その一風変わったお店の名前も不意に由緒ある名前に感じるのが不思議なところ。貴重なお話ありがとうございました、きっと洋食それもイタリアン系のレストランなのかもしれません。

 花園通りに出て、左に折れるとサークルKの裏手にある変わった建物に向かいます。前回も少しだけ写真に写っていたのですけれど改めて見ると不思議なペインティングですね。

 何かのお店なのかと思いましたが、こうして建物の側面にはポストらしきものがズラリと並んでいてもしかすると、住居なのかなとも思いますし、もしかするとホテルのような宿泊施設なのかなとも思いますが謎に包まれたままです。

 これが入口と思われる箇所。ドアには意匠が凝らされていて、下から照明が当てられているので、やはり夜に来たほうが良さそうですけれど、やっぱり何かのお店なのでしょうか?

 頭の中をクエスチョンマークで満たしながら、もう少し進んでみるとこれまた古めかしい、そしてある年代以上には懐かしい風情のお店。『正直ビヤホール』となっております。うーむ、自分で正直と名乗るとは相当に正直なのでしょうね。あいにく営業していなかったようで、残念な気もします。

 吉原大門通りに出ました。その関係のお店を撮影すると何か言われるかなと思い、そこら辺は自主規制の方向で行動を慎み、少し北に向かうと建物の角に設置された防犯カメラが目に留まりました。いわゆる街角カメラということで最近では繁華街を抱える地域には設置が増えているようです。我が錦糸町にも『ピアきんしちょう』の入口にあります。ここではコンビニのサンクスに向けてなのか通りを監視しているのか一台、サンクス自体にも通りに向けて一台、駐車場に向けて一台とかなりの台数が見つけられました。あまりキョロキョロしても不審人物になりかねないので、大人しく歩きます。そのまま北に向かえば、道路は少し屈曲しいわゆる吉原大門の入口のある土手通りに出ます。シェルのガソリンスタンドがある辺りですね。