一泊三日 大阪の旅

 先日の月曜日の夜から、夜行の高速バスを利用して大阪へと出掛けて参りました。今年二度目の大阪行。年中出張の多い方からすれば噴飯物でしょうが、過去に大阪は3回ほどしか行っていないので個人的にはかなりのハイペース。前回はそこから鳥取・九州へと回ったので短い滞在でしたが、今回は目的地が大阪なのでじっくり攻めます。三日の休みを利用してなので夜が明けてから移動開始してもいいのですが、時間のロスを無くすのと寝て行けるのでその分時間が活用できるという目論見。出発の3時間前に予約がようやく取れるというタイトロープなスケジュールながら錦糸町の仕事場を23時15分に出て総武快速で東京駅を目指しだだっ広い東京駅構内を早足で縦横無尽どころか3次元的に歩き回って八重洲南口から少し歩いた鍛冶橋パーキング24:15スタート。
 翌朝難波付近で放り出され思いの外寒い大阪の朝。長袖シャツを持ってきていてよかったと思いつつ、前回入ったうどん屋さんを目指します。期待通りそして記憶通りの佇まいに内心ほくそ笑みながら外の券売機で"かすうどん¥350"を購入。厨房のご婦人に渡して、早速バッグから長袖シャツを出して着込みます。前回は知人に教えてもらった"かすうどん山本"さんを訪れて食べてみたのが初めてですが、値段が段違いということもありこちらの松屋さんの方が好みでした。
 ほとんど眠ることが出来なかった今回のバス旅ですが、温かいものを胃に収めることが出来て人心地が付くというものです。押っ取り刀で旅に出てきたのでドラッグストアで歯ブラシや何がしかを揃えて近くのトイレで身支度を整えます。サッパリしてブラブラと新世界方面に向かいます。途中日本橋(にっぽんばし)辺りを歩いてなるほどこれが西の電気街かと初めて見ますが、道具屋筋合羽橋のそれであるのと同じく、秋葉原のミニチュア版という感じです。
 もう少し堺筋を歩くと間もなく通天閣が姿を現します。いつもは新世界側から通天閣を見るので新鮮な気がします。ふもと付近をブラつくと"新世界市場"というアーケード街がありおもしろポスターを眺めて一人悦に入るワタクシは満足して新世界へと足を向けます。まだ昼時の少し前ですからガヤガヤと活況を呈しているとはいえない状況ですが、それでも観光地と化している新世界。朝から飲ませるお店はいくらでもあります。目指すお店は串揚げの有名店だるまさん。その本店を目指すと意外や意外、過去に訪れたことのある酒の穴というお店のすぐ斜め向かいでした。
 決して広いとはいえない店内(カウンターのみ)には団体さんが2組ほど入っていて、ワタクシは端っこの方で一人レモンハイを。本場の串揚げをと頼みますが手っ取り早くどて焼きを。丁度目の前で仕込みをしている職人さんと何がキッカケだったか話すことが出来て、知らない事柄を質問します。ひと通り食べてレモンハイは二杯2,000円ほどだったでしょうか、満足して新世界をぶらつき、西成から飛田方面へ。まだ午前中ながらもしっかり営業している新地では歩きながら綺麗なおネーサンを見るともなしに見ると"やり手ババア"と呼ばれる御婦人方も少し若返りが進んでいるようです。建物そのものも建て替えられていたりして少し風情がなくなりつつあるのでご興味のある方はお早めに。
 飛田の風情を堪能して西成のドヤ街をブラついて再び新世界へ。本当に飛田・西成辺りと比べるとまるでアミューズメントパーク的な刺激的な色に満ち溢れています。そして女性一人で歩いても心配はありませんが、ワタクシにとっては刺激が薄いようにも思われますが、お気に入りの『のんきや』さんで再び一杯。一杯のつもりが、一杯で済まないのが世の常。思いがけず美味しい燗酒をふた種類楽しんで新世界を後にして寺田町へと歩き出したのでした。