干物の産地

 最近干物作りにハマってまして。記事で取り上げた以上にもう4・5回ほど作っております。 
 スーパーなんかで、干物を見掛けるとこういう魚も作っているんだなぁとか手に取って見ますが、〜産というのが表記されていますね。以前は何処で作られたものかということはあまり表記しなくても良かったんですが、『関サバ』や『大間のマグロ』等というブランド品はその産地を明記することで、差別化を図る戦略をとり、また産地が良く判らないのが嫌な方達が増えて来て、かなりの食材が産地を表記するようになりました。
 今日見掛けた赤魚の干物、S岡県の地名が産地と書かれておりました。しかし、裏返して見ると肝心の魚はチリ産となっておりました。S岡県というのは干物で有名ですからね、よく知らない消費者はそこで獲れた魚だと思い込んで買うのでしょうが、これはあくまでも思い込みです。写真は勝ちスポより(内容は←クリックして下さい)。干物の場合、産地とは干物に加工した場所ですから、魚は平たく言えば何処のものでもイイのだそうです(法律上)。ですから、以前TVで見たのは熱海の干物ですが鯵はオランダ産であるとか、金目鯛の干物は外国産であるとかといった報道がされていました。
 そこで思い出したのですが、千葉県に片貝(かたがい)というサーフィンのメッカがあります。そこは同時に鰯が名産。以前の仕事で訪れたときのこと。普通に家の縁側に新聞紙の上に無造作に広げられている魚、魚、魚。聞いてみるとここらの名産でカタクチイワシだそうで、干物を作っているそうな。しかしここ、片貝の漁港には他にも魚は揚がらないのかと聞くと、この港では小さい魚しか取り扱わないので、鰹や他のもう少し大きい魚は銚子方面へ水揚げするとの事。港であれば何でも水揚げするものでもないというのはこのとき初めて聞きましたが、ドコソコ産であれば高く売れるというカラクリの一端なのですね。ですから、先程述べた豊後水道の関サバ・関アジも、対岸の愛媛の港で揚がると同様の質でも値段がお手頃、大間のマグロも函館産なら少し値段がお安めということが起きるのだそうです(近年、大間のブランド化に倣い函館も戸井ブランドというのを確立し鮮度の維持に努め品質も向上しているらしいです。)
まぁいずれにしても、ドコソコ産と言えばその海で揚がった魚というイメージの強い干物ですが、干物の産地と魚の産地がイコールと早合点してはイケないのでありますね。
 そんな訳で本日もアジの開きを作っておりますが(写真は前々回のサンマの開き)、おおよそスーパーで刺身用で売っているもので作っています。やはり鮮度が良いと出来上がりも美味そうだし、表面は乾いて来ているものの防腐剤、保存料を一切使用していないので、古いものは避けたいものです。お値段は1尾100円程度のものです。なのでこれに塩水を使うのと干す網かごが780円程でしたから減価償却を考えると、スーパーで売っている干物を買うのが○ホらしくなってきます。
 錦糸町で作っているので『錦糸干し』とでも銘打ちますか^^)vニャハ。