苦手野菜の克服

イカとセロリの炒め物

 食べ物の好き嫌いは多いワタクシ、肉類の中で牛肉が苦手なのですけれど、魚類では蝦蛄(シャコ)、タラなどの白子、マグロのトロ、あと苦手という訳ではなくアレルギーとして海老や蟹等の甲殻類は時として蕁麻疹が出るので食べないようにしています。甲殻類は元々母親が異常に好きでその食べる様を見て育ったので、むしろ毛嫌いするようになってしまったのでどうでも良いけれど。そんな中、野菜は比較的嫌いなものというのは少なくて、小さい頃は定番のピーマンが苦手だったけれど出されて残すということは無かったのです。美味くないなぁと、青臭さに辟易しながらも何とか食べていたのですけれど、これはどうも合わないと思っていたのは、大葉。 梅干の色付けに利用した赤い紫蘇を平気で纏わり付かせたまま、口に含む人を見ると異星人のような気がしたものです、小さい頃は。今でも刺身のつけ合わせ、彩りに使う大葉を一緒に食べると言うのは遠慮したい口ですけれども、いわしの大葉はさみ揚げやアクセントになるような使われ方をしたものならイケるようになってきたのもこの数年です。歳を重ねるようになって嗜好が変わったと言うよりも、『頭で(理解して)食べる』ようになったせいも有るけれど、とある寿司屋で作ってもらった巻物でシンコ(コハダの若い頃)の細切りと大葉の細切りを巻いたシンコ巻きというのを食べて以来、これは良い組み合わせではないかと好むようになったのです。
 実家で食卓に登場しなかったのはセロリ。*1父親を除いて食べられるものが居なかったのでお目見えしたのは最初の一回だけ。ひどい悪評に母親も懲りたらしい。
 そんなセロリ・セルリですけれど、実家を出て外の食生活では徐々にその洗礼にさらされることになり、サラダに紛れ込んでいたり、お新香にヒッソリと隠れ口に含んだ瞬間、ヤツだと認識させられるというほろ苦い経験をさせてくれたのでした。しかしながら、フレンチで言うところのミルポア(:玉ねぎ、人参、セロリ)という基本の香味野菜として重要な役割を果たしているとのことで、認識が改まりました。セロリよ、オマエってヤツは、今まで冷たくしていて悪かったな、と謝ったかどうかは定かではありませんでしたが。
 そうして徐々に、例えばトマトソースを作る時に紛れ込ませたり、トリッパを作る時に必要以上に炒めつけてみたり*2。最近では味噌漬けや糠漬けにしたりとその領域を広げつつあります。

 そこで、今回は思い切って主役級に抜擢、イカとセロリの炒め物を作ってみました。レシピは特に調べずに頭の中で思い描いた通りに作ってみました。彩りで人参も斜め切りにして軽く炒めたところにお湯を注ぎ下拵えをし*3、ニンニクのみじん切りと鷹の爪を胡麻油で炒めたところに、イカを炒め合わせ下拵えした材料を投入。下拵えした時のお湯には若干のダシが出ているので捨てずに取っておいたものを、少量注ぎ酒・砂糖少々と薄口醤油、塩、胡椒で味を整え片栗粉でとろみをつけて出来上がり。今回は薄口醤油が出しゃばってきたので、色が付き過ぎました(汗)。
 セロリ・セルリの癖も抑えられ非常に食べやすく、これなら苦手な人でも食べられます(誇)。ただ炒めるだけだと火が通るまでに焦げてしまうし、こうした下拵えをしておくとシャキッと食感が残りますね。中華料理店では油通しが出来ますが、家庭では前述のようにお湯を用意して置いて、油で炒めた材料に注ぐと言う方法をとると温めた油を用意しなくて済みます。
 ところでこのセロリ・セルリについて今回調べてみました。

■セロリの旬の時期:春
■効能:食欲増進、精神安定、整腸
■セロリの主な栄養(100g中):ビタミンA効力:★★(160IU)
                ビタミンC:★★(6mg)
                カリウム:★★★★★(360mg)

■ビタミンA効力やビタミンC、カルシウム・鉄分・マグネシウムなどのミネラルを含み、強壮、整腸、鎮静などに効果があります。食物繊維も豊富ですので、便秘の解消やコレステロールを下げる作用も期待できます。

■セロリ特有の香りに含まれている精油成分は、口の中をさっぱりさせるので、油っこい料理のつけ合わせに向き、生で食べると食欲増進効果があります。また精神安定や、頭痛にも効果があると言われています。

■茎の部分に肝機能を高める成分を含んでいるので、二日酔いで頭痛がする時に食べると効果的です。

■茎が太くて肉厚、内側のくぼみが狭いもの。香りが強く葉が青々としていてパリッとしているものが良質です。押すとへこむようなものは、すが入っているので避けましょう。

■薄く皮をむいて生のままサラダにするのが一般的ですが、スープや煮込み、炒め物にも向いています。肉類と相性がよく、つけ合わせに最適です。レバーと一緒に調理すれば、におい消しの効果があります。葉の部分には、茎よりも多くの栄養分が含まれていますので、調理に利用するようにしてください。

■葉と茎に切り分け、葉はラップして立てたまま冷蔵庫へ保存しましょう。茎はコップに水を入れ、根元をさしておきます。
【参考ページ:株式会社カネソ22様】

 塩分排出の作用があるカリウムが豊富なのと、カルシウムを多く含むというのは良いですね。また肝機能を高める、なんてこれからはもっと食べなくては、ですね。
 

*1:ここで便宜的にセロリと述べますが英語ではceleryというスペルなのでどう考えてもこれは伝統的な日本語のカタカナ英語でしょう。そのためか最近ではセルリと表記しているお店・スーパーも増えて来ているような。ワタクシも普段はセルリ派。

*2:痛めつけて、の洒落なんで文字通り焦がしているわけではないのです。あしからず

*3:イカは冷凍なので解凍しがてら湯掻いておき同時にキクラゲも戻しておく