干物は腹開き、背開き?

自家製アジの開き

 先日の続きです。ようやく本題に入れます。
 自分で干物を作るようになって、さて腹開きなのか背開きなのか?という問題にぶち当たりました。それまで余り意識して干物の開き方を見ては食べていなかったからなのです。実際、我が生まれ故郷の北海道ではあまり干物を食べていた記憶が無いのです。その後何かの記事で読みましたが、やはり北海道、東北地方では干物の消費量が少ないらしいです。鮮魚が豊富だからでしょうか?
 しかし実際に魚を下ろしてみると、腹開き、背開きの違いは結構重要な問題になります。先日の記事でも述べましたが、うなぎの開き方、関東では背開きなのでワタクシはアジの開きを手始めに背開きにしました。その後、サンマ、つい先日ではイシモチを開いてみました。アジ、サンマは比較的背開きで問題なかったのですが、身の柔らかいイシモチは結構大変でした。意外なことに太い背骨なので頭も固く、かと言ってカマスのように変形の二枚下ろし型の開き(頭を片側に残す)のようには出来ないので、強引に頭を割りました。身が柔らかいのでグズグズにならないのか、ハラハラしました。

 干物というとアジが生産量一位のようですが、この最もポピュラーな干物の生産地は静岡県の沼津だそうです。この間読んだ記事では実にその量、全国生産の80%程だそうで、アジの開き方の『地域性』というのは元々あった様なのですが、結果的に沼津産のアジの開きがスーパー・小売店を席巻した結果、日本の殆んどの食卓に腹開きのアジが上るようになったそうです。勿論、地場産の干物を好んで食べたり、ワタクシのように自分で作ったりしない限り、大勢に流されるのは仕方がありませんね。魚の種類によっては開き方が限定されるのかもしれませんが、地域の違いというテーマが好きなワタクシにとっては、興味深い問題なのです。