アジの酢締め・ナスの味噌炒めで晩酌

アジの酢締め

 昨日はスーパーに行くと別に安いと感じたわけではないのですがどういう訳だか、アジを二尾買ってしまいました。普段は¥98ぐらいなら安いと思いますけれど、¥138でしたからね。別に金回りが良かったとかではなく食べたかっただけなのでしょう。他にもなにがしか買って、ついでに日本酒やビールも。

 いつものように一番搾りを買おうと、一旦は6本入りパックをヒョイと持ち上げたのですけれど、隣りにこんなビール(『アサヒ ロイヤルブリュー』)がほぼ同じ価格で売っていたので、試してみることにしました。普段は忌避するスーパードライを作っている会社なので、用心のために確認に次ぐ確認をしましたが、麦芽100%ということなのでこれなら試してみる価値はありそうです。
 アジは帰宅後すぐに捌きます。三枚におろして軽く切り身に塩を振り、冷蔵庫に保管しておきます。塩の目安は脂の乗り具合によって違うのですが、今回はお腹の部分は少し濃い目にして、全体的には塩が満遍なく降り掛かるようにしますが、軽く路面に雪が降ったかなという程度。積もったという感じではありません。
 骨はカラリと揚げてせんべいにして早速ビールのおつまみに。ビールはいわゆる麦芽100%のエビスやモルツほど濃さを感じさせるような味わいではなく、割と軽めでアッサリしているように感じました。骨せんべいはメインではなく、本来の目的は小アジが¥98/8尾と格安だったので南蛮漬けを作るために用意したのです。エラを取り除いて小麦粉を付けて揚げて、とここら辺のことは以前の記事でもお伝えしたとおり。但し今回は自家製のめんつゆが残っているので、それを流用し、またなかなか減らない黒酢を使っての南蛮酢です。黒酢は酸味がやや弱いので最終的には普通の穀物酢を加えましたが。

 先ほどの塩をしておいたアジの切り身は3時間ほどで一旦取り出すと、良い具合に水分が抜けています。軽く水で余分な塩分を洗い流すと、小骨を抜きます。腹骨はもちろんのこと、取り除いた背骨から身の方に直角に伸びている小骨も意外に口の中で障るので指の腹で確認しながら丁寧に抜いておきます。ここら辺は、イワシやサンマなら骨が細いので余り気にならないのですけれども、アジは意外に骨が硬く自己主張が強いので骨の除去は必須です。
 骨が取り除けたら、容器に身を並べて酢をヒタヒタになるぐらい注ぎます。ここら辺は各家庭の経済事情によって酢の量は決まります(笑)がお金持ちはタップリ、普通の家庭では、身の半分程度、給料日後なら身の高さの6割程度が適当でしょう。これが本当の身の丈を知るということですね(爆)。酢をその程度入れた後は、容器をグルリとフラフープをゆっくり回すようにして身の上の酢が浸らないところにも掛かるようにして20分ほど、冷蔵庫で冷やします。20分ほど経ったら裏返します。
 ※しめ鯖も同じ要領で作りますがアジよりも身が大きいし厚いのでそこら辺は加減が必要です。先ほどの雪のたとえで言うと路面が辛うじて見えるぐらい。でもそれぐらいだと、2時間ぐらいが適当だとは思いますが。酢に浸す時間は両面で1時間程度〜2時間、これは好みです。ワタクシは1時間ぐらいが好きです。

 さて平行して、冷蔵庫に残っていたナスを利用してナスの味噌炒めも作ります。夏野菜の代表格である茄子。もはや今では一年中流通していますけどやはり夏から秋に掛けて美味しく感じます。これまた色のコントラストがキレイなピーマンと合わせます。ナスは縦に四等分のくし型に切ると、長さ方向に半分に切り食べやすいようにします。これは好みで好き好きで良いでしょう。乱切りにしたり、薄切りでも、半月切りでもお好きなように。ボウルに張った水に酢を入れて酢水にしてナスを入れてアクを抜きます。4・500mlに酢は大さじ2杯程度、そこら辺はやはり各家庭の経済事情にお任せしますが、酢は多過ぎない方が良さそうです。ピーマンも同様に切り置きます。

 今回は中華スタイルで行こうと思いますので、先に合わせ味噌ダレを作って置きました。自家製の豆板醤を小さじ1、自家製の味噌を大さじ2、オイスターソース小さじ1、お酒大さじ2、三温糖(もちろん普通の砂糖でも可。ワタクシのウチにはグラニュー糖が存在しない)、大さじ1、鶏がらスープ100mlというところです。
 中華鍋に油を熱し揚げていきます。目標はいわゆる180℃ですけどそこら辺は適当でも良いです。低ければ火を強くして揚げれば良いし、高ければ一旦火を止めて、引き上げてから温度が下がるのを待って揚げ直せば良いですね。どのみち揚げ時間は10秒程度なので、高かった場合は5秒程度に短縮すれば良いのです。
 ジャーレンで(無ければ別にいつもの要領で。揚げ物用に100均で取っ手つきのざるを買ってしまうのも一つの手かも)油から材料を引き上げて油を切って置きます。揚げた時間が短くても、この置いている間に余熱で火が通ってしまうので生ということはありません。
 油を切った中華鍋に胡麻油を大さじ一杯程度入れて熱しショウガの細切りを入れて香りを出します。先ほどの味噌ダレの中に豆板醤を入れてしまいましたが、中華の本来のやり方では、豆板醤はここでショウガと一緒に炒めることで香りを引き出し、辛味を抑えるということです。ショウガから香りを引き出すと揚げたナス・ピーマンを合わせ、軽くあおると一気に合わせておいた味噌ダレを入れます。今回は先ほど述べた量の半分程で、良い具合に絡みそうなのでそれで抑えておきました。
 熱々の内にということで、メニュー構成的には逆になりましたが、まずはナスの味噌炒めです。結論的に言えば、先に述べた合わせ調味料の味噌ダレはもう少し甘さがあっても良さそうですけど、これはこれで満足な仕上がりです。炒めるというよりは、素揚げしている分、軽くタレと合わせる感じです。2工程で作っている分、手間は掛かりますが、ナスとピーマンを生のまま炒めて火を通すともっと焦げてしまいここまできれいには仕上がりません。

 アジも良い具合に仕上がりました。ワタクシはレア気味な締め具合が好きなのですが、狙い通り。醤油はワタクシの好きなマルキン醤油で塩辛さよりも風味重視なのです。骨抜きも丁寧にしましたので全く下に触りません。そういえば申し上げるのを忘れましたが、酢から引き上げてから、皮を剥いでしまいますのをお忘れなく。ゼイゴ(ゼンゴ)といわれるアジの特徴である尻ビレに繋がる特殊なウロコは先に取っておいても、取らなくてもどちらでも良さそうですが、取っておいた方が良いですね。
 お酒とのバランスを取るために止む無く作っておいた南蛮漬けも冷蔵庫から取り出しました。めんつゆ(自家製)と黒酢を使っているので、色味は濃いですけれど、味的にはそれほど濃過ぎず、酢が苦手な方でもこの方がむしろ好ましいかも。二度揚げしたので骨まで食べることができます。玉ねぎがまた良いアクセントになります。
 もう一度、アジの酢締めで。マクロレンズで、ポン。