自家製アンチョビを作る

アンチョビ作り・イワシを塩漬け

 およそひと月前のこと、塩辛について調べていました。作り方や、イカ以外の塩辛はどのようなものがあるのか、ということです。イカ以外の塩辛としては、カツオの塩辛(酒盗もあるけど塩辛もそれはそれで存在しています)、アミの塩辛、海老の塩辛、ホタテの塩辛、オコゼの塩辛、ほやの塩辛、イワシの塩辛あたりは食べたことがあります。他に何があるかと調べているうちに、どうやらワタクシが九十九里で食べたイワシの塩辛とはまた違ったタイプのイワシの塩辛が合って、これはイタリアンでお馴染みの食材であるアンチョビになることが判りとても興味を惹かれました。イワシ入梅時期のものが美味しいと言われているようですが、確かに小さいイワシがパックに詰められて売っていたのを思いだしましたが、時期が遅かったためなのかその後見つけることは出来ませんでした。仕方ないので、普通のイワシで作ることにしました。
 ¥40/尾の刺身用のイワシを5尾買って来ました。大きさは頭から尻尾まで18cmほどの立派なものです。アンチョビとしてはデカ過ぎるのですけど、まぁそれは気にしない方向で(苦)。頭を落として、内蔵を取り除きながら手開きで身を開きます。包丁でももちろん良いのですけれど、イワシの骨というのは、ご存知の通り身にビッシリ小骨が張り巡らされているので、包丁で中骨を切り取ると身に残った小骨を取り除くには手間が掛かります。ということで手開きのほうが中骨に細かい骨が残るだろうと思案した結果なのです。骨は片側に付けたまま開いた身を水で洗います。血は生臭さの元になるようなので出来るだけ洗い流します。
 キッチンペーパーで水分を拭き取り、琺瑯(ホウロウ)引きの容器に塩を敷き、そこに並べていきます。塩分が強いのでステンレスだと錆びるだろうとの判断です。開いたイワシを置いては塩を敷きを繰り返し上には多めに塩をしておき、冷蔵庫のチルド室に保存します。常温でなさる方もいましたが、暑いこの時期に、腐ることが予想されるので安全策で行きます。常温の方が熟成が早いような気がしますので、いずれは試してみたいですけれども。

 塩をしてチルド室に保存し、二日後の様子です。実際には仕込んだ翌朝も気になって見ましたが写真はなし。少ない量ながら水分が出ていました。上に乗せた塩がだいぶ溶けていて、少し足しておきます。やはり二日経ってからの方が随分と水が出てました。これは塩の脱水作用によるものですから、イワシの旨味も含まれているということなので、このまま出てきたものは取って置くと塩汁(しょっつる)として使えるそうです。タイ料理でいうところのナンプラーですね。
 途中気になって何度も様子を見てしまいました。密閉されてはいるものの表面が乾いたりしないかと、裏返してみたり。4週間ほど経過して、中骨を外す作業を決行、ついでにまだ剥がしていなかった皮も剥いでしまいます。これで身が二つに分離します。そして再び塩水に戻しておきました。
 翌々日に海水程度の濃さの塩水で洗い、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。一回り小さな容器に詰めて、オリーブオイルを注ぎます。ベイリーフと粒コショウを少々散りばめておきました。実食はまだですが、これは二日前の写真ですから、そろそろオイルが回って食べられそうです。